米津玄師、ドラマ『アンナチュラル』主題歌「Lemon」なぜ大反響?  配信4週連続1位&MV最速1000万回再生の理由を読む

米津玄師「Lemon」はなぜ大反響?

 米津玄師が3月14日にリリースしたシングル『Lemon』。表題曲のMVが、1000万回再生を5日と11.5時間という自身史上最速記録で突破したことでも話題になっている。

 2月12日に先行配信された「Lemon」はオリコン週間デジタルシングル(単曲)ランキングにて4週連続1位、累積DL数は57.8万を記録し、オリコン歴代累積記録を更新という快挙。これはMV、DLの両方で米津にとってキャリアハイの数字となる。また、ビルボードの複合チャートには、CDリリース前にも関わらず2月26日から毎週総合TOP3入りという快挙を見せている。

米津玄師「Lemon」MV

 では、改めて「Lemon」ヒットの要因とは一体なんだろうか? まず挙げられるのは、現在放送中のドラマ『アンナチュラル』(TBS系)との親和性の高さだ。『重版出来!』『逃げるは恥だが役に立つ』などをヒットさせてきた脚本家・野木亜紀子が、オリジナルで書き下ろした作品ということで放送前から話題になっていたドラマだが、本放送が始まってからその盛り上がりは増すばかり。そのなかでも米津の歌は大きくフィーチャーされており、第4話、5話ではクライマックスを迎える印象的なシーンで流れたことで視聴者にも大きなインパクトを残し、この曲がドラマの演出に欠かせないものであることを証明した。

 米津が『アンナチュラル』のために書き下ろした歌詞は、喪失感と切なさ、ほんの少しの救いを感じさせる言葉が並ぶ。それは“不条理な死”を追求しながら、人間の業を描き、命の重さを伝える同作とリンクするようで、歌詞が気になった視聴者の検索もあってか、歌詞検索サービス「歌ネット」では、注目度ランキングで3週連続1位を、歌詞のウィークリーアクセスランキングで2週連続1位をそれぞれ獲得した。

 1990年代は、現在よりもドラマと主題歌の関係性が密接だった。TVドラマというフォーマットがもっとも盛り上がった時期ということもあってか、名ドラマにはそれを支える名曲・名フレーズが必ずと言っていいほど存在し、印象的なシーンで流れることによって作品の良さがより際立つという結びつきが生まれ、それが国民的ヒットの条件の一つにもなっていたといえるくらいだ。例を挙げるだけでも〈あの日あの時あの場所で君に会えなかったら〉(小田和正「ラブストーリーは突然に」/ドラマ『東京ラブストーリー』主題歌)、〈振り返ると いつも君が笑ってくれた〉(藤井フミヤ「TRUE LOVE」/ドラマ『あすなろ白書』主題歌)、〈春よ 遠き春よ〉(松任谷由実「春よ来い」/ドラマ『春よ来い』主題歌)と、枚挙にいとまがない。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる