ファレル・ウィリアムスが明かした“創造力”の源 次世代楽器「ROLI」CEOとの対話レポート

ファレル×「ROLI」CEO対談

 ところで、ROLIの実際の使用感はどのようなものなのか。筆者はSeaboard Block、Lightpad Block Mの実機を演奏する機会も得たので簡単にレビューをしたい。

 これらのデバイスを使用するにはiOSアプリの「NOISE」が必要になる。Seaboad、BlockとはそれぞれBluetoothで接続できるので簡単だ。一つを接続した後にデバイス同士を内蔵の端子で“カチャ”と繋げると、他のデバイスがすぐに使えるようになるのも考えられている。

Seaboard Block

 今回は“Store”で無料ダウンロードされている、ファレル・ウィリアムス「Happy」の“Soundpack”を利用した。ドラムサンプルのキット、エレクトリックピアノ、ベース、そして「Happy~♫」というボイスサンプルがアサインできる。Seaboardを上手に弾くにはスキルが必要だが、グライドやビブラートなどピアノとは違うアクションで直感的な表現ができる。Blocksはもっと簡単だ。アプリの“Learn”ボタンを押すと「Happy」の原曲を弾く順に光り、それを追ってパッドを教えていけば原曲を演奏する練習になる。さらにプリセットや他のSoundpackの音源を組み合わせることもできるので自分なりの「Happy」リミックスを簡単に演奏でき、あっという間に時間が経ってしまった。

Lightpad Block M

 他にもN.E.R.D.、Wu-Tang、Rudimental、グライムスの楽曲が提供されており、サックス、ピアノなど本格派のプリセットもあるので、買ってすぐにマルチプレイヤーになったりリミックスを行えるのがデバイスとアプリが一体となるROLIの面白さだ。このエコシステムが創り出すクリエイティブの拡がり方こそが、ファレルを刺激したのであろう。

(写真=© ROLI Ltd. 2018)

■鈴木 貴歩
ParadeAll株式会社 代表取締役 エンターテック・アクセラレーター
ゲーム会社、音楽放送局等でコンテンツ企画、事業企画を担当した後に、2009年にユニバーサルミュージック合同会社に入社。デジタル本部本部長他を歴任し、音楽配信売上の拡大、デジタルマーケティングの強化、全社のデジタル戦略の推進、メディア/プラットフォーム企業との事業開発を担当の後、起業。
現在はエンタテインメント、テクノロジー領域のコンサルティング、メディア運営、カンファレンス主催、海外展開支援を行う。
2014年に立ち上げた日本初の音楽xテクノロジーのカンファレンス、「THE BIG PARADE」Co-Founderも務める。
“エンターテックはカルチャーを創る"がビジョン。
Twitter:@suzukitaka

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