YouTuberはネットの枠を越えて音楽を届ける存在に? 『U-FES.2017』レポート

『U-FES.2017』レポート

 そして、日本人YouTuberの代名詞的存在=HIKAKINと、作詞作曲も手がける実兄のSEIKIN。22日に放送される『ミュージックステーション スーパーライブ2017』(テレビ朝日系)への出演でも話題になっているふたりが、思いを込めた応援ソング「雑草」を歌うと、観客が振るサイリウムはすべてグリーンに。同曲のアレンジを手がけた“リミックス王子”ことTeddyLoidのDJも冴え渡り、最後は大合唱となった。

東海オンエア

 6人組の超人気グループ「東海オンエア」のサプライズ加入が伝えられたあと、すべてのクリエイターがステージに上がり、披露したのは11月10日に発表されたUUUM公式のオリジナルソング「JOIN US」。事前に歌唱が告知されていたこともあり、観客も大合唱で応えた。

 出演したクリエイターの多くは音楽を中心に活動しているわけではなく、クラスの人気者たちがステージに立っているような、学園祭的な楽しさはもちろんある。しかしそれ以上の迫力と感動が確かに届いてくるのは、彼らがある意味では一般的なアーティストにも増して、日常を削ってファンを楽しませることを考え、実践し続けてきたからだろう。“好きなことで生きていく”ことの楽しさと厳しさを知り、自信に溢れたクリエイターたちは、それぞれにキャラクターが立ち、舞台度胸も満点。その意味で、人間性がダイレクトに反映しやすいヒップホップと、特に相性が良いように思われた。地上波の番組に出演し、ネットの枠を飛び越えて音楽を届けるYouTuberは、今後も増えていくかもしれない。

(取材・文=橋川良寛)

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