D-LITE、ソロ活動はなぜコミカルに? 宴会企画『でぃらいと』シリーズと三枚目キャラから考察

 D-LITE (from BIGBANG)が、12月20日にミニアルバム『でぃらいと 2』をリリースする。前作『でぃらいと』から約3年ぶりの“宴会企画”第2弾。BIGBANGとしてステージに立ったときにはいクールなパフォーマンスで世界中のファンを魅了する一方で、ソロ活動ではコミカルな楽曲で笑わせてくれるD-LITE。本作でも、その魅力は余すこと無く詰め込まれている。

期待に応え続ける謙虚な秀才

 “この人がいれば間違いなく楽しい”そんなふうに思える人が、あなたのまわりにもいないだろうか。D-LITEは、まさにそんな人だ。BIGBANGで日本のバラエティ番組に出演した際には、飾らない発言で場を和ませ、純粋すぎるリアクションで笑いを誘う。誰もが第一印象で親しみを覚えるのが、D-LITEの魅力。

 そもそもD-LITEが歌手を目指そうと思ったきっかけは、中学生の学園祭だったという。(参照:【インタビュー】 D-LITE(from BIGBANG)、ソロとして新たな一歩「僕の音楽を聴いて力をもらってくれたら」。T.O.Pも応援)担任の先生に内緒で学園祭に推薦され、やむなくステージに立ったことが忘れられなかったと語る。誰かの期待に応えることで、自分にスポットライトが当たる。D-LITEの進化の源には、いつも相手を喜ばせたいという想いがあるようだ。

 きっとこの“宴会企画”も、D-LITEのサービス精神から生まれたものだろう。そして実際に歌えば抜群の歌唱力で期待以上に応えてくれる。“打てば響く”という信頼は増す一方だが、本人は至って謙虚な姿勢崩さない。先のインタビューでも、ソロ初のツアー初日に「本気でこっそり逃げようと思ったぐらい(笑)。自信もそんなになかったし勇気もなかったんですよ」と率直な言葉を並べている。

 そんな彼のライブは、ファンとのコミュニケーションの場だ。パフォーマンスを一方通行に魅せるのではなく、一緒に踊り、会話を楽しむ。盛り上がるあまり公演時間が延びてしまうことも。「ソロはソロで楽しいし、BIGBANGはBIGBANGでしかできないことがあるからどちらもすごい楽しいです」どんな場面でも、求められる声に120%で応えるのが、D-LITEのエンターテインメントだ。

全力で演じる三枚目のカッコよさ

 期待を上回るホスピタリティで人を喜ばせてくれる彼のもとには、自然と彼の魅力をさらに高めてくれる人たちが集まってくる。“D-LITEのためなら”と、ひと肌脱ぎたくなるのだろう。“宴会企画”第1弾を飾った「ナルバキスン((Look at me, Gwisun)」は、BIGBANGリーダーのG-DRAGONが作詞作曲に携わり、日本語歌詞も前山田健一(ヒャダイン)が担当。三枚目男の哀愁を全力で歌うD-LITEは、カッコ悪くてカッコいい。

D-LITE「ナルバキスン (Look at me, Gwisun)」JP Full Ver.

 第2弾となる本作でも、「あ・ぜ・ちょ!」が楽しい。水野良樹(いきものがかり)が作詞作曲した楽曲の主人公も、また健気な三枚目キャラ。一目惚れした女性を振り向かせるために、かわいい系になったり、ワイルド系になったり。<あなたの 全部を さあ頂戴>と、あの手この手を尽くすD-LITEに思わず感情移入してしまうのだが……その結末は、ぜひMVを見てほしい。

D-LITE (from BIGBANG)「あ・ぜ・ちょ!」 MV

 さらに、本作では鈴木雅之の「違う、そうじゃない」や、尾崎紀世彦の「また逢う日まで」など往年の名曲をカバー。世代を超えて愛されるラインナップは、宴会にはもってこい。日本の忘年会、新年会シーズンを盛り上げてくれるとは、まさにサービス精神のかたまりだ。ちなみに、歌詞カードにもファンをニヤリとさせる仕掛けがある。そんな遊び心満載な演出も、楽曲へのリスペクトを感じられる歌唱力が大前提。遊び心と才能の絶妙なバランスを持つD-LITEだからこそなせる技だ。

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