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『WHITE OUT』インタビュー

『GODZILLA 怪獣惑星』主題歌でも話題 XAIが語る、歌と生命活動の密接な関係

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 映画『GODZILLA 怪獣惑星』主題歌「WHITE OUT」でデビューを果たす女性シンガー、XAI。どこかしら神聖さを感じさせる伸びやかなハイトーンが強く印象に残る歌い手だ。

 楽曲は、作編曲とプロデュースを中野雅之(BOOM BOOM SATELLITES)、作詞を蒼山幸子(ねごと)が担当。壮大なスケールの世界観を持つ映画のエンディングにふさわしい一曲になっている。さらに表題曲を含む5曲とそのインストゥルメンタルバージョンを収録したミニアルバムの『WHITE OUT』(アーティスト盤)には、ミト(クラムボン)、TeddyLoid、牛尾憲輔、丸山真由子というクリエイターたちが楽曲を提供している。

 「歌っていないと死んでしまう」「私にとって歌は酸素と同じ」と語るその実像に迫った。(柴那典)

「シェリル・ノームが絶望の中で歌う姿に救われた」

ーーデビュー曲の「WHITE OUT」は映画『GODZILLA 怪獣惑星』の主題歌となっています。物語が終わった後にスクリーンで自分の歌が流れてくるのを聴いて、まずどんな印象がありましたか。

XAI:最初は試写室のようなところで観たんですけど、音が上から降ってくるように聴こえたんです。自分の歌ではあるんですけど、どこか神聖なものを感じるような気がして。「WHITE OUT」は、ブレスから始まってブレスで終わるんです。そういうところにも「希望」のようなものを感じるし、優しく包み込んでくれるような歌だと思いました。

ーー特に「WHITE OUT」でのXAIさんの歌声は、実在してないような、どこか別の世界にいるような感覚になるものだと思うんです。歌っているときにも、神聖さとか崇高さのような感覚は意識されていたんでしょうか?

XAI:スタジオに窓があって、時間帯が遅いこともあったので、窓からマンションの明かりが見えるんです。明かりって人間の営みの証じゃないですか。そういうところに、聴いてくださった人の心に届くようにということを思いながら歌いました。

ーーどこのスタジオで歌録りをされてたんですか?

XAI:スタジオは中野(雅之)さんのご自宅にプライベートスタジオがあって、そこで録りました。

ーープレスへのコメントでも、中野さんとの制作を振り返って「私をアーティストにしてくださいました」と書いていますよね。どんな体験でした?

XAI:今までずっと歌が好きで歌ってきたんですけど、音楽を作ってらっしゃる方、音楽の中にいらっしゃる方のところで歌うっていうことは、もちろん無かったので。中野さんはすごく温かく迎え入れてくださったんですけど、歌うだけじゃなくって、音楽についていろんなことを話す中でも、自分が試されている感覚があって。そういう意味で、感覚を研ぎ澄ましてもらったと思います。

ーー何を試されてるという感覚がありましたか?

XAI:どういうふうに歌うのかとか、そういう技術的な部分もありましたけど、中野さんは音楽に本当に真摯に向き合ってらっしゃる方なので、簡単な言葉になってしまうんですけど、本気かどうかとか。そういうことですね。

ーー真剣勝負でやらざるを得ない環境だったんですね。

XAI:そうですね。私は本当に歌が好きで、歌うことを大事にしてきたんですけど、それが魂や生きていることに密接に結びついているのかどうか、というか。

ーー歌が好きである、大事にしてきたという原体験ってどういうものがあるんでしょうか? 子供の頃を振り返って、歌や音楽とはどういう風に触れ合っていたんでしょう。

XAI:家族がもともと音楽が好きな家だったので、両親それぞれ全然好きな音楽が違うんですけど、それを聴いてきました。あと家にラジオがあって、ずっと流れていたので、その時々の流行の歌とかも聴いていましたし。

ーーお父さんとお母さん、それぞれどういう音楽が好きだったんですか?

XAI:母は今で言うとアリアナ・グランデやビヨンセのようなパワフルな歌声が、父はサザンオールスターズやTOTOなどが好きですね。

ーー音楽を好きで聴いているというだけでなく「歌いたい」という意識が芽生えたのは、どんなきっかけがあったんですか?

XAI:歌うことは物心ついたころからすごく好きだったんですけど、『マクロスF』というアニメを観たときに、自分にとって歌がすごく特別なものになったんです。中でもシェリル・ノームがシェルターの中で「ダイアモンド クレバス」を歌うシーンがあって。それを観たときに、私もこういう風に生きていきたいと思ったという経験がありました。

ーー歌にはいろんなシチュエーションで、いろんな感情が乗っているものだと思うんですけれど、『マクロスF』はどうスペシャルだったんでしょう。

XAI:当時、中高生の頃は自分が学校でうまくやれなかったというか、そういういろんな経験があったので。シェリル・ノームが絶望の中で歌う姿に救われたんです。その姿が私にとっての救いでした。ハッピーというよりも、歌が生命活動とすごく密接な存在にあるんだって。

ーーXAIさんの歌は、確かに等身大の共感を誘うというよりも、研ぎ澄まされた純粋さを感じさせる声だと思うんです。これはきっと「自分にとって歌とはこういうものなんだ」みたいな意識が徐々に育っていった結果だと思うんですけど、今挙げていただいたシェリル・ノーム以外にも自分に影響を与えて、血肉になった音楽ってありますか?

XAI:あとはシーアですね。彼女はもともとアルコール依存症で、そこから立ち直って音楽をやっているんです。そういう境遇はもちろん、歌詞や歌っている内容にも強いアイデンティティを感じます。アイデンティティは自分も大事にしていますね。

ーーこういう人になりたいとか、憧れの対象みたいなシンガーとかアーティストはいましたか?

XAI:戦場とか、生と死の間とか、そういう場所に立って歌う姿は本当に素敵なんですけど、こういうアーティストになりたいというよりは、自分の中に見つけていきたいと思っています。

ーーXAIさんは昨年に「東宝シンデレラ」オーディションのアーティスト賞を受賞されて、それが歌手としての道程のスタート地点になったわけですよね。自分の将来像というか、進んでいく道に対しては、どういうイメージがありましたか。

XAI:自分は音楽にずっと救われてきたので、どういう形であれ、音楽に携わっていきたいという気持ちはありました。自分は歌うことで生きてきたし、生命活動をしていく中で歌というものが本当に大事なものなので。それをずっとやって生きていこうと思ってました。

ーーなるほど。そういうような音楽との向き合い方をしてきたXAIさんからすると、「WHITE OUT」という曲は、与えられた曲ではあるけれど、自分自身にぴったりとフィットする感覚があったんじゃないかと。

XAI:そうですね。すごくそう思いました。自分が音楽に救われたように、自分も誰かの力になりたいという思いをずっと抱いているので。願いが叶えられる歌なんじゃないかなと思いました。

ーー曲にはある種の冷たさ、殺伐とした世界観がありますが、そこにXAIさんの声があることで、先ほど話したような「救いの要素」が加わっていますよね。これはXAIさんの声ありきで完成する曲だと思いますし、中野さんもそれを踏まえてプロデュースした曲だと感じるのですが、たとえば歌い方に関して中野さんから何らかのアドバイスはありましたか?

XAI:細かいところまで話し合いながら歌っていったんですが、印象に残っているのは「もっとこう歌ったら響きがよく聴こえるよ」とディレクションしていただいたことですね。私としては高い音よりも低く出したときの声の方が自信はあったんですけど、そうじゃない歌い方でも良いんだと気付かされたというか。

      

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