『WHITE OUT』インタビュー
『GODZILLA 怪獣惑星』主題歌でも話題 XAIが語る、歌と生命活動の密接な関係
「自分の能力を毎回試されている感じがあった」
ーー『WHITE OUT』のCD（アーティスト盤）には表題曲に加えてTeddyLoidさん、牛尾憲輔さん、ミトさんなどが手掛けている楽曲も収録されています。それぞれの曲について訊いていきたいのですが、まずTeddyLoidさんの「Feeling Alive」はどういったイメージを捉えて歌っていきましたか？
XAI：5曲あるなかで、「Feeling Alive」は光を感じるような、明るい歌だなと思ったので、気負わずにやりましたね。
ーー「Somewhere in Night」はどうでしょう？
XAI：はじめに歌詞と曲を聴いたときは、あまり曲の世界観に近づけなかったんですけど、レコーディングのときに牛尾（憲輔）さんがこの曲に込めた実体験とかそういったものをいろいろ説明してくださって。そのときにすごく自分のものになったというか。
ーーどんなことを説明されたんですか？
XAI：「Somewhere in Night」という題名通りに、だんだん夜になっていって、高揚感とか熱い気持ちを抱えながらクラブに近づいていって。クラブって音楽にすごく密接な場所じゃないですか。だから奇跡的な音楽体験とか、熱い気持ちが込められている曲で。
ーーそれを聞いて、情景と世界観みたいなものが浮かんだと。
XAI：そうですね。歌っていくなかで自分もその場にいるような、牛尾さんの経験を追体験しているような感じを抱いて歌いました。
ーーなるほど。ミトさんが手掛けた「SILENT BIRD」に関してはどうでしょうか？
XAI：「SILENT BIRD」は激しい曲で、そういう曲を歌うのが自分にとっての挑戦だったんですけど、アルバムの5曲の中で一番大変だったというか、難しい曲だったなと。
ーーどういうところが大変で、どう乗り越えていったんですか？
XAI：歌詞も、今まで内に秘めていた思いを外に出すというメッセージがある曲だと感じたので、自分にとってはいろんな今持っているもので勝負したというか。自分のものにするということに、まずエネルギーが必要でした。
ーー「はじまりのうた」はウォームなピアノバラードの曲ですが、これはどうでしょう。
XAI：「はじまりのうた」という題名にもあるように、自分がデビューしていくということにも重なる、大事な歌になるなと思って歌いました。バラードは好きだし得意なジャンルでもあるので、すごく素直な気持ちで歌えたんです。
ーー今回収録されている5曲は、統一感こそあるけど、向いているベクトルは全然別のものですよね。
XAI：そうですね。
ーーでも、おそらくシンガーとして、いろんなタイプの歌を自分の色で染めていくという表現が必要になってくるでしょうし、それが求められた5曲だと思います。改めて5曲を振り返って、自分の歌声で表現するものがクリアになった感覚はありましたか？
XAI：いま話していただいたように、5曲とも全然違う曲になったので、そういう意味では自分の方向性や可能性を広げてくれたアルバムになったなと思います。それぞれどれも違うんですけど、いろんな場面で誰かの力になれるような曲だなと。
ーーこうやって作品になって、改めて自分の声と向き合って、自分の声について客観的に分析したり、捉え直したようなことはありましたか。
XAI：「WHITE OUT」のAメロやBメロもそうですけど、息が多めというか、そういうところは得意なのかもしれません。今回の5曲で、初めて出会うような方々とご一緒して、自分の能力を毎回試されている感じがあって。自分も試していくなかで、いろんな悔しさや「まだまだこんなもんじゃない」という思いもありました。
ーー「WHITE OUT」のミュージックビデオの話も聞ければと思います。かなりダークな仕上がりになっていますね。
XAI：そうですね。絵コンテを見せていただいたときから、ドキッとしてしまうというか、「すごいものになりそうだな、すごく刺激的なものになりそうだな」と思っていたんですけど。
ーー映像を観て、どう感じましたか？
XAI：登場人物それぞれがすごく生きているというか、そういう姿が美しいなと思いました。楽曲を聴くだけじゃなくて、観ることによって、「WHITE OUT」のパワーや解釈を広げてくださるMVにしてくださっていると思います。
ーー『GODZILLA 怪獣惑星』という映像作品もあり、あのMVの映像もあり、いろんな入口がある曲だけれど、その核にはXAIさんが仰ったような生命力というか、そういうものを込めたという実感がある。
XAI：そうですね。自分が救われたように、誰かの力になったり寄り添っていられるような曲になっていると思います。
ーー今後いろんなタイプの曲を歌っていくことになると思うんですが、今の時点でこういう歌を歌ってみたい、こういう表現をしてみたいという思いがありますか？
XAI：今回、映画の主題歌を担当させていただいて、その曲を映画を観たあとに聴くことで、一層意味深くなるというのが素敵だなと。だから、これからもいろいろな作品の主題歌をやらせていただきたいと思いました。
ーー長いスパンで、こういう存在になっていたい、こういうシンガーになりたいというイメージはありますか？
XAI：アーティスト名の「XAI（サイ）」にある「X」って、未確認生命体を表す言葉で。今回デビュー作がゴジラの主題歌だということを意識して「X」にしたので、これからも自分で想像がつかない可能性や未来を見据えながらやっていきたいです。
（取材・文＝柴那典）
■リリース情報
『WHITE OUT』
※表題曲はアニメーション映画『GODZILLA 怪獣惑星』 主題歌
発売：11月15日（水）
価格：アニメ盤 1,300 円+税
アーティスト盤 2,000 円+税
＜収録内容＞
「WHITE OUT」
作詞:蒼山 幸子（ねごと）作曲・編曲:中野 雅之（BOOM BOOM SATELLITES）
その他詳細は後日発表
■映画情報
『GODZILLA 怪獣惑星』
公開：11月17日（金）全国公開
＜スタッフ＞
監督／静野孔文・瀬下寛之 ストーリー原案・脚本／虚淵玄（ニトロプラス） シリーズ構成／虚淵玄（ニトロプラス）・村井さだゆき キャラクターデザイン原案／コザキユースケ 副監督／森田宏幸 演出／吉平“Tady”直弘 プロダクションデザイン／田中直哉・Ferdinando Patulli CG キャラクターデザイン／森山佑樹 造形監督／片塰満則 美術監督／渋谷幸弘 色彩設計／野地弘納 音響監督／本山 哲
＜キャスト＞
宮野真守・櫻井孝宏・花澤香菜・杉田智和・梶裕貴・諏訪部順一・ 小野大輔・三宅健太・堀内賢雄・中井和哉・山路和弘
製作：東宝
制作：ポリゴン・ピクチュアズ
配給：東宝映像事業部
映画公式サイト：godzilla-anime.com
映画公式 twitter：@GODZILLA_ANIME
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