欅坂46、『欅のキセキ』でファンとより深くつながる? アイドル×ゲームの取り組みを考察
さらに面白いのが『欅って、書けない?』のエピソードも含まれており、各キャラの個性も深く掘り下げられていること。例えば、あの尾関梨香の“尾関スタイル”を生み出した50m走まで見ることができる。中でもプレイヤーが涙したというエピソードが、長濱ねると米谷奈々未との関係を描いたストーリー。ふたりともアイドルになることを親に反対さていたという似たような境遇を持ちながら、通常通りのオーディションで合格を射止めた米谷と、特別枠で途中から加入した長濱。グループ結成当初、ふたりはあまり良い関係とは言えなかった。同ストーリーでは、そんな長濱と米谷が和解していく模様が描かれている。このゲームは、グループにとって大切なエピソードや各メンバーのパーソナルな一面を知る機会にもなっている。そのため、プレイした後に改めて欅坂46のMVや楽曲に触れると、新しい発見があることも多い。
ライトな層は欅坂を知るきっかけとなり、ディープなファンは数々のエピソードを振り返る。もしかするとファン以上にメンバー当人達が一番楽しめるゲームなのではないだろうか。結成わずか2年ほどで、多くの感動エピソードを提供できる欅坂は、それだけ濃い日々を駆け上がって来ているということでもある。
『欅のキセキ』発表時にはVR対応をするという話も出ていたが、もし実現するなら、最前列でライブを見ることができたり、長沢菜々香が目の前でずっとアイスを作り続けていたり、尾関と一緒に走ったりする日も来るのだろうか? これからのアップデートや今後の展開にも期待しつつ、ゲームを進めたいと思う。
(文=本 手)