シングル『100degrees』インタビュー
THE RAMPAGEが語る、16人体制パフォーマンスの強み「いろんな掛け算が僕らの中だけでできる」
影響を受けたアーティスト、ダンサーは?
――ちょっと話がそれましたが、THE RAMPAGEはヒップホップベースでありながら歌やラップがすごく耳になじみやすいのも魅力だと思うんです。ボーカルの3人は、歌やラップで好きなワードはありますか?
RIKU:歌のバースのところだと、<ありきたりな日々 Say goodbye>というシンプルな言葉がAメロのど頭でいきなりくるんですけど。「100degrees」のコンセプト的な“まず自分たちが一歩踏み出して今までの殻をぶち破る”っていう意味合いが、この1行に詰まってる感じがして、自分はすごく好きですね。あとはラップの<邪魔者そこどきな Go my way>っていうところが、フロウのアプローチの仕方も含めて好きだなと思ってます。
吉野:僕は<冷めてる目で 何ができる? Come on, come on 起こせよアクション>ってところですかね。自分が歌ってるんですけど、確かにそうだなっていつも納得しながら歌ってます。あと<暗闇を 恐れる必要はない>の部分が、どんな壁にも負けずに立ち向かっていくというか、怖いもの知らずみたいなイメージで僕らっぽい感じがして。
――ラップ部分は壱馬さんが担当されたとか。
川村:これまでも書いてはいたんですけど、こういう形で作品化されるのは初めてですね。僕は歌パートだと<今日までの常識 覆す>っていうワードがあるじゃないですか。その一言にいろんな意味が込められている気がして。“世の中変えてやる!”みたいなメッセージ性を、自分としてはすごく感じたんです。ここは自分が書いたわけじゃないですけど、そういう思いだったりとかも乗せて歌っていきたいと思ってます。
――「Dirty Disco」でTHE RAMPAGEにハマった人をいい意味で裏切る感じのアグレッシブさも感じますけど、このリリックを書くのには苦労しました?
川村:そんなに時間はかからなかったです。いつもお世話になっているスタッフさんにも相談させてもらいつつ、考えていきましたけど。
――<3 the hard way>とか、スラングもしれっと盛り込み。
川村:好きな人には反応していただけるかなと思って、ちゃっかり入れてますね(笑)。
――昨今は『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日系)で日本語ラップの面白さが再注目されてますけど、そういうものもチェックはしてますか?
川村:けっこう観てましたね。あとは並行して好きなヒップホップアーティストの音源とかライブ映像を掘っていってます。
――ちなみに最近はどういうのを聴かれてます?
川村:80’sモノとかですね。知ってるようでいて、深く知ってるわけじゃないなと思って……で、80’sで検索してぱっと出てきたPublic Enemyを掘ってみよう! と思ってライブ映像とか90年代の動きとかもしばらく探ってみていたんですよ。その流れで行き着いたのが、以前から掘ってはいたんですけどANARCHYさん。結局、日本のアーティストに戻ってきて。
――ANARCHYさんといえばデビューシングルの「Get Ready to RAMPAGE」MVにも出演されてたりして、遠からぬ縁でもありますよね。この流れでほかの4人にも、影響を受けたアーティストやダンサーを聞いてもいいですか?
陣:常々言ってるんですけど、僕はKITEさん(※「UK B-Boy CHAMPIONSHIPS」など数々のダンスの国際大会で優勝経験があるポップダンサー。きゃりーぱみゅぱみゅさんの「CANDY CANDY」のMVにも出演)というダンサーの方を大リスペクトしてます。今も世界の第一線で活躍されているんですけども。ポップというジャンルを作った創始者のクルーで、エレクトリック・ブガルーズというLAの方々がいるんですよ。世代は違うんですけど、KITEさんはその人たちにも認められて同じクルーで踊ったりされているのを見て、すごいなと感じて。自分たちも日本人なんですけど、日本人が世界で活躍できる可能性をKITEさんに見せてもらったので。自分もダンサー、パフォーマーとしてそういう可能性をどんどん広げていきたいなと思うようになったし、すごく影響を受けてます。
LIKIYA:自分は小学生くらいからずっとヒップホップを聴いていて、音的に強く影響を受けているのは、中高生くらいの頃に聴いてたJAY-Zとかファット・ジョー、ミッシー・エリオット、リル・ウェインとか。うちは親父が好きだったから、本当に生まれたときからずっとヒップホップがBGMで、逆に日本の曲をほぼ聴いてこなかったんですよね。それでR&Bを歌って踊るようなアーティストも好きになって、オマリオンに憧れを持ってそこからダンスも始めた感じなんです。もともとはヒップホップが好きでそっちに転がったっていうか。
RIKU:僕はちっちゃい頃から母親の影響でマイケル・ジャクソンをずっと聴いてましたね。高校までずっとサッカーやってて将来音楽をやることになるとは思ってもいなかったし、当時は影響を受けるというよりもただカッコいいなっていう憧れだけで聴いてたんですよ。自分でも音楽を始めたくらいの頃に和製マイケル・ジャクソンといわれてる三浦大知さんを知って、この人みたいになりたいなと思って、すごく影響をうけました。海外だと僕はオマリオンのいたB2Kが好きで、4人でのあのパフォーマンスがすごくTHE RAMPAGEに通じる部分があるんじゃないかと勝手に思ってて、今でもよく聴いてますね。出かけるときの一発目のBGMはいつもB2Kから始めるくらい。
吉野:僕はみんなとは逆に日本のアーティストしか聴いてこなくて、ずいぶん上の世代の方になっちゃいますけど、尾崎豊さんとか玉置浩二さん、徳永英明さんとか。子供の頃におばあちゃんとかとよくカラオケに行ってた影響もあって、かなり年上の方が聴くような曲を聴いてたんですよ。今思い出すと恥ずかしいけど、高校の文化祭で尾崎豊さんの「I LOVE YOU」を歌ったりして……(笑)。
――でも、今の北人さんのボーカルスタイルに通じるところもあると思いますよ。
吉野:尾崎さんは歌も上手いですけど、僕の中では技術的な部分よりも“感情で歌を歌う”イメージが強いんですよ。そういう影響もあって、昔はよく一人カラオケで、自分の中の感情を込めるような感じで曲を歌いこんだりしてましたね。今、THE RAMPAGEの歌い手としてやっている中でも、そういう影響は生きてるのかなと思います。