Leola、音楽への愛をこめた充実のステージ 初ワンマンライブツアー東京公演レポート

 シンガーソングライターのLeolaが、初のワンマンライブツアー『Hello! My name is Leola.』を行なった。デビューから、1年半。作品リリースやライブ活動ーーバンド編成からアコースティックセットでのライブを丁寧に重ねてきた時間を経ての、満を持してのワンマンということもあり、初日9月29日の東京公演、渋谷duo MUSIC EXCHANGEにはLeolaを祝福するようにたくさんのファンが詰めかけ、歓声をあげた。女性ファンの比率が高いのは、Leolaの飾らないヘルシーな歌やボーカルの魅力と、チャーミングな笑顔にあるのだろう。

 7月にリリースした1stアルバム『Hello! My name is Leola.』のタイトル曲やデビュー曲「Rainbow」でスタートしたステージは、聴く人の“心の太陽”になりたいという願いを込めてつけたLeolaの名前そのものに、あたたかく優しい雰囲気に満ちている。秋風が涼しい季節となってきたこの日だったが、ステージにはさりげなくひまわりが飾られていて、部屋に招かれたようなくつろいだイメージ。ドラム、キーボード、ギター、ベースというバンドメンバーと楽しげに目配せをしながらアコースティックギターを奏で、透明感あふれる声を弾ませるLeolaにフロアもパッと輝く感覚だ。しっかりと音楽の真ん中に立って、エネルギッシュに観客をもてなしている。

「今年の夏は、どうでしたか。目を閉じて楽しい夏をイメージしてみてくださいーーみんな目、閉じてる⁈ ステージから見えてるからね」といたずらっぽく笑いながら、波音が聞こえてきそうな「Summer time」を爽やかに響かせ、手拍子やシンガロングも巻き起こす。ライブ序盤から、ステージとフロアの一体感が高い。

 初のワンマンということで、「みなさんが、明日からまた頑張ろうと思えるライブにしたい」と考えたとMCで語ったLeola。「でもわたし自身、“よし明日頑張るぞ”と思えなかったこともある。でも明日がくることは当たり前のことじゃなくて。新しい日がくることが幸せなんだと思えたら、豊かな人生になるんじゃないかなと思って書いた曲」だと続けて、「It’s a “New Day”」をアコースティックギターを爪弾きながら歌った。次の曲「I&I」とともに、スローなビートでたっぷりとしたメロディを紡ぐ曲で、Leolaのエモーショナルなボーカルが冴える。それまでの、キラキラとした元気な声色とはまたちがった、奥行きのある表情を見せる声で、Leolaという人の姿や心を伝えていった。

 中盤にはこのほか、アコースティックセットで、荒井由実「やさしさに包まれたなら」と事務所の先輩であるEXILEの「Ki・mi・ni・mu・chu」をカバー。「やさしさに包まれたなら」は、小さな頃から大好きだったという映画『魔女の宅急便』の主題歌で、音楽や夢見ることの楽しさの魔法をかけられた曲だと紹介した。「今日のタイトルが“My name is Leola”なので、今のわたしを作った曲を歌いたいと思った」という。また先輩であるEXILEのカバーは、今回初めてワンマンという長尺のライブセットを作るにあたって、「改めて、ひとつのショーを作り上げる先輩の偉大さを知った。少しでも、追いつけるようにと選んでみました」と思いを込めた。


 後半には、Leolaから観客にあてて書いた手紙を読み上げた。オーディションを経て大好きな歌の世界に飛び込んだものの、なかなかデビューには至らずにたくさんの時間がかかったこと。今、こうしてステージに立っていること。目の前には応援してくれる人がいること……そういった手紙を、観客の顔を見つめ一人ひとりに語りかけながら「あなたの笑顔に恋しています」と、高揚感たっぷりに「コイセヨワタシ。」と「I believe」でファンキーにフロアを揺らし、手拍子で満たしていった。アップリフティングな「Mr.Right」や「MIGHTY GIRL!☆」では観客とシンガロングを繰り広げ、「この曲でLeolaを知ってくださった方もたくさんいると思います」と言って昨年夏にシングルリリースし、CMソングとしてもLeolaの晴れやかな歌声を印象づけた「Let it fly」で、会場を明るく包み込んでいった。

 そしてこの日、最後に観客へと送った曲は「The Way」。聴く人の応援歌になればと書いた歌詞は、歌うに連れて自分の応援歌になっていったという。「シンガーとなるのは、叶わぬ夢だと思ったこともあった。でも諦めないでいたからこそ、ここに立っているのだと思う。これからもつらいこと苦しいことはたくさんあると思う。でもまた、こうしてみなさんと楽しい時間が過ごせると信じて、歩いていこうと思います」と告げると、祈りのような力強くも美しいボーカルで、初のワンマンツアーの初日を締めくくった。


 歓声がやまないなかアンコールに登場し、ウクレレで「Hello,My name is…」を歌い、デビュー前から歌ってきた自分を奮い立たせる曲として「Sing for you」を歌ったLeola。ラストに「みなさん、大好きだ!」と叫んだそのとびきりの笑顔と、観客たちの大きな歓声にこのライブのすべてが込められていたと思う。フレンドリーで、そして健気に音楽を愛しているLeolaのがまっすぐに伝わってくる、充実したステージだった。

(文=吉羽さおり)

Leola オフィシャルサイト

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