菅田将暉、音楽活動と向き合う“本気度”の正体 『NEWS ZERO』密着映像を観て
菅田将暉が6月15日に放送された『NEWS ZERO』(日本テレビ系)に出演。俳優である彼が自身の音楽活動をスタートさせた理由に迫るインタビューや、6月7日にリリースしたソロデビューシングル『見たこともない景色』の制作現場、デビュー当日に渋谷WWW Xで行った初のソロライブまでを追った模様が放送された。
菅田は俳優として、2016年には9本の映画と5本のドラマに出演。現在最も活躍する若手男性俳優と言っても過言ではないスターぶりを発揮している。そんな彼が音楽に触れたきっかけは、祖父の家がスナックだったからだという。
「(小さい頃は)家族みんなで歌うみたいな日々がずっとあったんですけど、声変わりをして高い音が出なくなってからは、カラオケや歌うことも好きじゃなくなりました」(番組内インタビューより)
歌から遠ざかり、学生時代は音楽を聴いていなかったという菅田だが、16歳で上京し、3年が経った19歳のころ、映画『共喰い』の撮影中にある日、フジファブリックの「茜色の夕日」に出会ったことで、音楽の力を体感したという。彼は同曲の<東京の空の星は 見えないと聞かされていたけど 見えないこともないんだな>という歌詞に共感したそうで、東京や芸能界といったキラキラした世界と現実のギャップに直面しながら「夢はもしかしたら無いのかもしれないと思いながら突っ走っていると、この世界じゃなきゃ出会えない人たちがたくさんいた。この歌詞の<星>って、そういうことなのかなと勝手に思った」と、希望を見出したそうだ。
番組内でも放送されたが、菅田はこの曲を2013年のファンイベントでも披露しており、彼にとっては「どんどん忘れていくけど、いまだに覚えている瞬間のひとつ」だという。彼は『BRUTUS No. 848』(マガジンハウス社)内で、自身が影響を受けた音楽として、フジファブリック以外にも吉田拓郎、andymori、忘れらんねえよといった名前を挙げている。
菅田は「何気ない言葉とメロディで救われることがたくさんあったから、それを僕がやりたいというか、きっと今の自分の立場じゃないと発信できないものがある」と語った。トーク番組などでギターを手に吉田拓郎「人生を語らず」や、さだまさし「関白宣言」を歌う姿、映画『何者』で演じたバンドマンの大学生・光太郎、同じく映画『キセキ ーあの日のソビトー』でグリーンボーイズとして歌う役柄も自然に見える彼の姿勢は、まさにその言葉を体現しているように見える。
密着VTR冒頭では、4月にレコーディングスタジオで「最後の所確認してもいいですか」「最後もう一回歌ってもいいですか」と納得のいくまで何度も歌い直したり、コード譜を見ながらギターを一生懸命に練習する様子が、後半では初ライブを控え、さまざまな仕事現場にギターを持ち込んだり、本番も開演ギリギリまで発声をよくするマッサージを受ける映像がオンエアされた。一つの作品、一つのステージに向かう姿勢は、役者も音楽も関係ない。彼が両方についてピュアな情熱を燃やして取り組む姿からは、そんなメッセージが伝わってくるようだ。
そんな菅田は映像のラスト、自身のこれからについてこう語る。
「ミュージシャンが路上とか小さな箱とか家の中とかで培ってきたものの積み重ねが僕にはないから、そこをちゃんと埋めていくというか、自分なりに階段を駆け上がらなきゃと思います」
“積み重ねてきた”音楽家へのリスペクトも持ちながら、自分なりの届け方で「誰かを救う音楽」を模索する菅田。役者と歌手を彼なりに突き詰めた先にはきっと、まだ誰も“見たこともない景色”が待っているのだろう。
(文=中村拓海)
■リリース情報
『見たこともない景色』
2017年6月7日(水)
初回生産限定盤(CD+DVD)¥1,667(税抜)
1.見たこともない景色
2.ばかになっちゃったのかな
3.見たこともない景色(Instrumental)
DVD:見たこともない景色 Music Video
通常盤(初回仕様)(CD)¥1,000(税抜)
1.見たこともない景色
2.ばかになっちゃったのかな
3.見たこともない景色(Instrumental)
※プレイパス対応
■配信情報
「見たこともない景色」先行配信中