STU48、新生“地域密着型”グループの可能性 NGT48をモデルケースに大きく羽ばたくか?

 昨年10月の発足発表から、約8カ月。瀬戸内7県を拠点とする、AKB48の新たな姉妹グループSTU48が本格的に活動をスタートさせた。

 HKT48・指原莉乃が劇場支配人としてメンバーを兼任し、AKB48・岡田奈々もグループのキャプテンとしてメンバーを兼任することを発表したのが、今年2月のこと。先日、6月3日には岡山市おかやま未来ホールにて、初ライブが行われた。先輩である岡田がリードしながら、「恋するフォーチュンクッキー」「ヘビーローテーション」「365日の紙飛行機」など、AKB48の代表曲を満員のファンの前で披露。ラストにパフォーマンスされたのが、STU48の初オリジナル楽曲「瀬戸内の声」だ。

【MV full】 瀬戸内の声 / STU48 [公式]

 グループのYouTube公式チャンネルでは、「瀬戸内の声」のMVが公開されている。第1期生最終オーディションの映像からはじまり、瀬戸内海の雄大な景色をバックにスローバラードが流れる。印象的なのは海の上に出来た砂浜の道をメンバーが渡る、瀬戸内市黒島ヴィーナスロードでの空撮。このMVは、AKB48グループ初の4Kでの撮影が行われており、瀬戸内の魅力を伝える映像としても一役買っている。ほかにも、瀬戸内の数々の名所が映像の中には出てきており、「Special Thanks」には多くの企業名が連なる。

 「瀬戸内の声」のMVを見て思い出したのが、NGT48の初オリジナル楽曲「Maxとき315号」だった。楽曲性は違えど、新潟の雪景色や国の重要文化財にも指定されている萬代橋など、新潟の魅力が伝わる映像だ。NGT48は、地域密着型として数多くの新潟企業とのコラボレーションを行い、グループのお披露目から約1年8カ月後、デビューシングル『青春時計』をリリース。その結果、同シングルは、オリコン週間CDシングルランキングで1位を獲得。先日の『AKB48 49thシングル 選抜総選挙』での速報でも、1位の荻野由佳を筆頭に、合計で11名がランクインと躍進を果たしている。STU48メンバーのプロフィール写真は、瀬戸内の海や砂浜をバックに撮影されたものだ。早くも、メンバー一人ひとりをフィーチャーした『STU48のSU!』(テレビ新広島)がスタートし、グループのTwitterアカウントでは各県庁やテレビ局をメンバーが訪問している様子をツイートしている。STU48が、NGT48をモデルケースにしたものとすれば、「瀬戸内の声」のMVクオリティを見る限り、このグループにかけられた期待がどれほどのものかが分かる。

 「瀬戸内の声」で指原と岡田を両脇に据え、センターを務めるのが瀧野由美子。『週刊少年マガジン』『別冊カドカワDirecT』にて、表紙にも抜擢されている注目株だ。最終審査合格から73日で『週刊少年マガジン』の表紙を飾ったのは、AKB48グループ、坂道シリーズにおいても史上最速となる。「瀬戸内の声」にて瀧野が自転車をこぐシーンがあるが、「清楚」「透明感」といった言葉がぴったりの印象を抱く。また、メンバーの薮下楓は、元NMB48・薮下柊の実の妹。今年、総選挙への出馬を辞退したAKB48・武藤十夢の妹で同グループに所属する、武藤小麟が速報で第59位に入ったように、今後注目を浴びる可能性がある。さらに、数多くのアイドルを輩出してきたアクターズスクール広島出身のメンバーもおり、これからパフォーマーとしてグループを牽引していく存在になっていくだろう。

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