“活動安定期”に再びチャートを賑わす条件は? BIGBANG新作などから検証

 さらに注目したいのは8位のスキマスイッチ『re:Action』。「全力少年」がヒットし、この曲を含むアルバムが初登場1位となったのは2005年のことです。それ以降、もちろん安定した作品を量産してはいるものの、強烈なヒットに恵まれているとは言い難い。まさにピークを過ぎた穏やかな安定期ですが、今回のリアレンジ・アルバムは見事な起爆剤になりうるかもしれません。前述の「全力少年」が奥田民生のプロデュースによって見事なロックンロールに生まれ変わっているように、過去の名曲が他者の手によってまったく違う構造になっているのです。田島貴男や小田和正、SPECIAL OTHERSにRHYMESTERまで、参加メンツも非常に豪華。「あぁ、まさに小田和正だなぁ、でも曲はスキマスイッチだなぁ!」と感動したり、「ライムスターが手を加えると、スキマスイッチはこんなふうに響くのか!」と興奮したり。スキマスイッチの再発見。これはファンにとっても、今まで興味がなかった人にとっても面白いものだと思います。

■石井恵梨子
1977年石川県生まれ。投稿をきっかけに、97年より音楽雑誌に執筆活動を開始。パンク/ラウドロックを好む傍ら、ヒットチャート観察も趣味。現在「音楽と人」「SPA!」などに寄稿。

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