AKB48グループ『リクアワ2017』はNGT48に軍配 チーム8の課題と今後への期待

 AKB48グループは、2017年1月21日、22日と2日間にわたって、TDCホールで『AKB48グループリクエストアワー セットリストベスト100』(以下、『リクアワ』)を開催した。同イベントは、SKE48、HKT48、NMB48などAKB48グループの楽曲全969曲の中からファンが自分の好きな曲に投票し、ベスト100を決定するというもので、ファンだけでなく、メンバーも大いに盛り上がるイベントだ。そんな『リクアワ』も今年で10周年を迎えるが、今回も例年に劣らないドラマが繰り広げられていた。

1位争いは「NGT48 vs チーム8」

 毎年、リクアワの投票期間にはメンバーが自分たちの出ている曲への投票を呼び掛け、ファンもそれに応えて、自分が推しているメンバーやグループの曲へ投票している。今回のリクアワもそのような投票がファンの間で繰り広げられていた。今回は新潟に拠点を構えるNGT48のファンが、NGT48にとって初のオリジナルソング「Maxとき315号」への投票を積極的に呼び掛けたり、全国47都道府県から代表メンバーで構成されるAKB48チーム8のメンバーとファンは、ライブ定番曲「47の素敵な街へ」が ”今年こそ悲願のリクアワ1位を取るぞ” という強い意気込みのもと積極的に投票を呼び掛けていた。そのため「この2曲のどちらかが1位を取るだろう」と多くのファンも思っており、投票が始まった2016年12月から、ファンの間では“47 vs 315”と言われるほどの激しい争いが繰り広げられていた。

(C)AKS

 「47の素敵な街へ」は、2016年の『リクアワ』でグループ全体としては3位、AKB48単独では2位を獲得。ライブ中の「ガチ恋口上」が特に盛り上がりを生む楽曲だ。最近ではチーム8の中野郁海が作ったメンバーによる「ガチ恋口上返し」が欠かせない。2017年1月15日にTDCホールで行われたチーム8のEast(東日本)、West(西日本)全体でのコンサートでも同曲が披露されていた。チームEastのコンサートでは東日本の大将、岡部麟(茨城県代表)が「来週のリクアワに向けて、皆さんと一緒に歌いたい! 言いたいことを言っちゃってください」と呼びかけ、Westのコンサートでは西日本の大将、太田奈緒(京都府代表)が「リクアワへの願いを込めた曲です」とファンにアピールするなど、彼女たちの思い入れは強い。

軍配はNGT48

 

 イベントが終盤に差し掛かり、3位である松井珠理奈の「赤いピンヒールとプロフェッサー」が終わると、会場は緊張に包まれた。総監督の横山由依と松井珠理奈がトークをしているが、会場のファンの多くが次の2位の発表が気になって仕方なかった。まさに決勝戦は多くのファンが想定した通り、NGT48とAKB48 チーム8の一騎打ち対決となった。そしてついに2位の発表。会場の大きなスクリーンには「47の素敵な街へ」の文字が表示され、その瞬間、会場中がざわめいた。1位を期待していたチーム8ファンと、これで1位が決まったNGT48ファンらの声援や悲鳴が飛び交う。リクアワの中で一番会場が盛り上がった瞬間だった。そして「47の素敵な街へ」の曲がスタートすると、チーム8のメンバーも1位を期待していたのだろうか、結果に泣きながら登場するメンバーも多かった。

 そんな彼女たちの姿に、ファンも涙しながら大声の「ガチ恋口上」で応える。倉野尾成美(熊本県代表)は「結果は2位ですが、パフォーマンスは8が1番ですよね!」とファンに呼びかけると、会場はさらに沸いた。チーム8のパフォーマンスとパワーは、AKB48グループの中でも“負けていない”ことは誰の目にも明らかだった。

 しかし、NGT48は“強すぎた”の一言に尽きるだろう。AKB48が登場してから10年目の年に誕生したNGT48は、今年のリクアワで「Maxとき315号」以外にもトップ10に3曲(5位「NGT48」、7位「君はどこにいる?」)がランクインする快挙を成し遂げた。キャプテンの北原里英は「本当に、本当に、本当に嬉しいです! 本当にありがとうございました!」と、メンバーみんなと嬉しさを爆発させていた。会場の悔しい思いをしていたチーム8ファンからも、NGT48の快挙には大きな声援がかけられていた。

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