森朋之の「本日、フラゲ日!」vol.32
ワンオク、ブルエン、ブライアン、ミセス、FIVE NEW OLD……2017年はバンドの活躍に期待!
メジャー1stアルバム『TWELVE』からちょうど1年ぶりのリリースとなる2ndアルバム『Mrs. GREEN APPLE』。シングル「サママ・フェスティバル」「In the Morning」、映画『ポエトリーエンジェル』(2017年5月公開予定)主題歌「soFt-dRink」、さらにメジャーデビュー以前にライブ会場限定でリリースされた「FACTORY」が新アレンジで収録されるなど、バンドの過去と現在、そして未来のビジョンがリアルに刻まれた作品だ。生楽器の響きを活かしつつ緻密に構築されたアレンジとともに“生きていくとはどういうことか?”というテーマに正面から向き合った「Lion」、壮大なスケールのストリングスを取り入れたロックバラード「鯨の唄」など、新曲も充実。二十歳のメインソングライター・大森元貴の才能が(ようやく)露わになった本作は、バンドにとっても大きなターニングポイントとなるだろう。
2010年に神戸で結成されたFIVE NEW OLDの4曲入りEP。シンセパッドを取り入れたトラックとR&Bマナーを色濃く反映したメロディがひとつになった「Stay (Want You Mine)」、80sニューウェイブ感覚に溢れた煌びやかなロック・チューン「Hush Hush Hush」、軽快なカッティングギターを軸にしたバンド・グルーヴが印象的な「P.O.M.」、憂いを覚えたメロディラインが心地よく上昇していくダンスナンバー「Burned in The Fire」と超キャッチーな楽曲が揃った本作からは、このバンドの音楽的な知識の深さ、それをオリジナル曲へと結びつけるソングライティング/アレンジメントの高度なセンスが伝わってくる。 “ジャンルに捉われず、さまざまな音楽、カルチャーとつながりたい”というテーマを掲げるバンドは多いが、それを実現する可能性を持った極めて稀なバンドだと思う。
■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。