ジャニーズ2016年は怒涛の一年だった……佐藤結衣 × 高橋梓が振り返る
Hey! Say! JUMPの活躍、TOKIOの安定感
高橋:ジャニーズ全体的に俳優業に積極的に取り組んでいた印象もあります。目立ってこの人の演技がよかった、とかありますか?
佐藤:私はHey! Say! JUMPの中島裕翔さんが主演だった『HOPE~期待ゼロの新入社員~』(フジテレビ系)に出ていたジャニーズWEST桐山照史さんの関東弁の演技がムズキュンでした(笑)。桐山さんってすごい演技が上手なんですけど、この時の役どころみたいなものが最も活きるんだなと。彼は作品に溶け込むことができるんですよね。ある意味ジャニーズの人っぽくないというか。
高橋:ジャニーズっぽくないといえば、ジャニーズタレントのドラマ出演って“ジャニーズフィルター”がかかって見られてしまう時がある。演技力がないわけではないのに、正当な評価が得られないことがあります。山田涼介さん主演の『カインとアベル』(フジテレビ系)もそういう結果だったのかなと思いました。
佐藤:彼らに対する世間の期待が大きいということもありますし、そもそも評価するつもりで見ていない人も多いんだろうなという気はちょっとします。
高橋:Hey! Say! JUMPの中島裕翔さんも『半沢直樹』(TBS系)に出ていた時はすごい評価されてたじゃないですか。なのに、主演で『HOPE』に出演したらいきなり風向きが変わってしまって。
佐藤:そういうのは本当に悲しい。「ジャニーズだから出られるんでしょ」みたいな扱いはもどかしいです。中島さんももちろん素晴らしい演技力を持っていますから。時期的にスキャンダルが関係していたのかもしれませんね。そういった意味でもHey! Say! JUMPは今年は試練の年でした。
高橋:伊野尾慧さんが出演したドラマ『そして、誰もいなくなった』(日本テレビ系)はかなり評判がよかった。でもその矢先にいろいろあったので……伊野尾! と心の中で叫びました。
佐藤:彼ももっと“適当”なキャラ押しでそれこそ手越さんみたいに自分でネタにするくらい飄々とした感じでもよかったのかもしれないですけどね。一方、Hey! Say! JUMPの有岡大貴さんと八乙女光さんは『ヒルナンデス』(日本テレビ系)でバラエティ班としてコツコツ経験を積んでいます。「アリ岡ナシ岡」も定着してきました。
高橋:うちの母も有岡推しです(笑)。Hey! Say! JUMPの10月の横浜アリーナ公演に行ったんですけど、ファンの年齢層が広がっていて驚きました。知名度は確実に上がっているし、グループとして前進しているんだなと感じましたね。
佐藤:Hey! Say! JUMPに関してはコツコツと上り詰めていくというか、1発でブレイクという感じではないのかも。だからこそ長い活躍が期待できるのかもしれないですし、「来年こそは!」と夢見ることができるのも魅力なのかもしれないですね。あと、個人的にはTOKIOの活躍も見ていて楽しかったです。TOKIOはいいですよ(笑)。
高橋:またジャニーズグループの新たなスタイルがひとつ確立されましたよね(笑)。
佐藤:今年『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)のスタッフの方がインタビューを受けていた時に、台本に満ち潮の時間が書かれていて「工事用の工程表みたい」と話題になりました。干潮、満潮、何時に日の入りとか、それで大枠だけスタッフが決めて、あとはメンバーが決めているそうです。アイデアがそのまま番組になっているから楽しいんじゃないですかね。もともとTOKIOはバンドの人たちだから何かを突き詰めることに向いているんでしょう。
高橋:TOKIOは素っぽい感じがいい。さっき話題になったKAT-TUN上田さんもそうですけど、あんまりアイドルアイドルしていない、年相応で飾らないスタイルのメンバーも全体的に増えてきているなと思って。なんでなんですかね。ファンはジャニーズに何を求めているんだろうとたまに思うんです。ザ・アイドルみたいな振る舞いをすると話題になったり、みんな喜ぶじゃないですか。なのに、そういった素っぽさを見せるところになぜシフトしているのか興味があります。
佐藤:そのシフトが起こっている人たちは、アイドルとして一旦山場を作ったTOKIOやKinKi Kidsなどのメンバーで、だからこそ男女問わずの人気者になっていくんだと思います。あくまでジャニーズファンとしては彼らのアイドルらしい姿を見たいはず。でも、それだけだと“作られたものなのでは”という冷ややかな目も生まれてしまうというか。今年は『櫻井・有吉THE夜会』(TBS系)でタッキー&翼の滝沢秀明さんと嵐の櫻井翔さんがJr.時代の関係性について語りあったことが話題になりましたけど、そういった素の感じも含めたアイドルとしてのあり方が今後は求められるのかもしれないです。ではアイドルらしく今を生きるとしたら、と考えるとやっぱり嵐がちょうどいい。リアルだけどリアルすぎない。メンバー同士でメール交換をしているとか、ファンの納得度の高い情報を提供してくれている印象があります。
高橋:嵐以外にも、確かに今年はそういった納得感あるプライベートの話題、ジャニーズの中で仲がいい人とかご飯を食べに行ったエピソードが多かったですよね。
佐藤:ジャニーズ同士の共演も多かったので、その流れで行ったというのも自然ですし。納得するし、ファンとしても安心できる。安心できるリアルな話題なんですよ。