Rei、弓木英梨乃、Predawn……本当に注目すべき実力派の「ギタ女」たち

 「ギタ女」という言葉を頻繁に見聞きするようになったのは、この1〜2年のことだろうか。その出所は明確にはわからないが、最近ではNMB48の山本彩のソロアルバム発売が告知され、亀田誠治、GLAYのTAKURO、スガ シカオといった豪華な顔触れの参加が発表されるなど、そのブームは今も広がり続けているように感じられる。しかし、おそらくは多くの人が思っていることだろう。「これって、要は女性シンガーソングライターのブームってことでしょ?」と。まあ、ブームというのは得てして突っ込みどころがあるもので、別にこれに対して不満があるというわけではない。ただ、せっかくギターに注目が集まっているのに、今まさに頭角を現しつつある女性ギタリストの存在が見過ごされているとしたら、それはとても勿体ないのではないか。そこで今回は、「ギタ女」の一言では語り尽くせない実力派の女性ミュージシャンを紹介していきたい。

 まずは、9月21日に3枚目のミニアルバム『ORB』を発表したばかりのRei。1993年生まれで現在23歳のReiは、兵庫県生まれ。幼少期をフランスとニューヨークで過ごし、4歳からクラシックギターを始め、またビッグバンドに所属してエレキギターも始めている。帰国後はブルースに傾倒し、弾き語りの活動もしつつ、神戸の音楽学校を経て上京。ペトロールズの長岡亮介との共同プロデュースによるミニアルバム『BLU』でデビューを飾っている。弾き語りではフィンガーピッキングとサムピックを用いたカッティングを使い分け、スライドバーによるボトルネック奏法も駆使したりと、その多彩なプレイはまさに本格派だ。

 セカンドミニ『UNO』に続いて、セルフプロデュースで制作された『ORB』では、まずリードトラックの「COCOA」に注目。カッティングと4つ打ちを軸としたファンキーなナンバーで、間奏のワウパートや、キメで一瞬用いられるピッチシフターなど、エフェクト使いの小技も効いている。ファンを公言するBECKの『MIDNIGHT VALTURES』を今に更新したような雰囲気も、2016年の空気にハマっていると言えるだろう。他にも、UKサイケなリフものの「Pay Day」、ブルースマナーのロックンロール「Route 246」、スライドバーを用いたカントリースタイルの「Keep On Driving」と、そのプレイスタイルは実に幅広い。ルーツを重視しつつも、それをモダナイズする意志はまさにBECK譲りであり、今後のさらなる活躍は間違いないだろう。

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