Crossfaithがオーガナイズした“濃厚”イベント 『ACROSS THE FUTURE 2016』を観た

Crossfaith『ACROSS THE FUTURE』レポ

160922_cft_3.jpeg

 

 3バンドの出番が終わると、会場内には20分後にCrossfaithのライブが始まることが英語でアナウンスされる。そう、このようにして自身の世界へと誘おうとするこのアナウンスの時点からCrossfaithのステージはすでに始まっているのだ。セッティング中に流れるDJ MIXにもバンドのこだわりが見え隠れし、ラウドなものからダンサブルな楽曲まで、彼らのルーツが垣間見られる選曲となっていた。

 カウントダウンが0まで到達すると、会場内にはSE「Prelude」が流れ始める。メンバーがひとり、またひとりとステージに現れ、最後にKoieがステージに立ったところでバンドは「We Are The Future」からライブをスタートさせた。Koieの「『ACROSS THE FUTURE』最終日、ぶっ壊していくぞ!」を合図に、フロアには大きなサークルピットが発生。「死ぬ気で来いよ!」の言葉どおり、観客はモッシュやクラウドサーフなど思い思いのアクションでバンドの熱演に応えていく。そしてダンサブルな「Devil's Party」では会場天井に設置されたミラーボールが回転し、フロアにはピョンピョン飛び跳ねるキッズたちの姿が多数見受けられた。

160922_cft_1.jpeg

 

160922_cft_13.jpeg

 

 「Ghost In The Mirror」ではスタジオテイク同様、Beartoothのケイリブを招き入れ、先の「BODY BAG」にも負けないほどの熱演を繰り広げる。続くMCではKoieが「今回の『ACROSS THE FUTURE』はお前らの熱量を間近で味わいたくて、あえて小さいライブハウスを選びました」と告白。その言葉どおり、以降もバンドは観客の熱量をすぐそばで感じながら、最新シングル曲「Rx Overdrive」などアグレッシヴな楽曲を連発していく。ライブ中盤ではTeru(Programming, Vision)とTatsuya(Dr)のプレイをフィーチャーした「DJ & DRUM SOLO」を挟み、THE PRODIGYのカバー「Omen」で最初のクライマックスを迎えた。

160922_cft_7.jpeg

 

 「このイベント、最終的には月まで持っていきたいね!」と豪語するKoieは、ある曲の前に必ず見せる「合わせた両手を、空間をねじ開けるように左右に広げる」ジェスチャーをし始め、このアクションに次の曲を察知した観客たちは自らフロア中央に広い空間を作る。こうして始まった「Countdown To Hell」では観客はフロアのところどころに設置された鉄柵をモノともせず、いつも通りに“ウォール・オブ・デス”を繰り広げてみせた。

 アンコールではドラマチックなSE「System X」からそのまま、最新アルバムのタイトルトラック「Xeno」へと突入。1曲入魂と言わんばかりに、メンバーも観客もありったけの力をこの曲に込めて暴れ、最高の形で大団円を迎えた。

160922_cft_10.jpeg

 

160922_cft_11.jpeg

 

 Crossfaithのライブが終了すると、ステージ上にはこの日の出演バンド4組が勢ぞろい。来場者含め全員で記念撮影を始めるのだが、そのBGMが前日の移動バスで流れて盛り上がったというEARTH, WIND & FIRE「September」に切り替わると、一部メンバーのテンションが急変。笑顔の絶えないリラックスムードで『ACROSS THE FUTURE 2016』最終公演は終了した。

 このイベントの終盤、「来年、今までやってきたところより大きな会場でツアーをします!」と宣言したCrossfaith。後日、それが9月14日からスタートした全国ツアー『New Age Warriors Tour』のファイナルシリーズとして、来年2017年1〜2月にワンマンライブツアーとして実施されることが明らかになった。ツアーファイナルとなる関東圏でのライブは、2月4日に千葉・幕張メッセイベントホールにて開催。間違いなく、これが彼らにとって日本での過去最大規模ワンマンライブとなる。海外ではすでに絶大な人気を誇るCrossfaithが、ここ日本でどこまで高い支持を集めることになるのか。それは『New Age Warriors Tour』を通じて明確な結果を出してくれることだろう。

 そしてKoieが「日本の良さと、俺たちが海外で見てきたものの良さをミックスし、マッシュアップした」と説明する『ACROSS THE FUTURE』も、今後さらにジャンルレス、ボーダレスなイベントになっていくことは間違いない。Crossfaithが国内外でさらにビッグになればなるほど、このイベントの内容もよりカオティックになるのではないか。そう考えると、本当にこの先が楽しみでならない。

160922_cft_14.jpeg

 

(文=西廣智一/Photo by cazrowAoki)

160922_cft_2.jpeg

 

160922_cft_6.jpeg

 

160922_cft_17.jpeg

 

NOISEMAKER セットリスト
01. Heads and Tails
02. THE NEW ERA
03. DRIFTING CLOUDS
04. Flag
05. Butterfly
06. Something New

Beartooth セットリスト
01. The Lines
02. Aggressive
03. Hated
04. Dead
05. Beaten In Lips
06. Fair Weather Friend
07. Always Dead
08. In Between
09. Body Bag [with Koie from Crossfaith]

Enter Shikari セットリスト
01. Destabilise
02. Radiate
03. Sorry,You're Not A Winner
04. Slipshod & The Jester
05. The Paddington Frisk
06. Redshift
07. Anaesthetist
08. Mothership

Crossfaith セットリスト
01. Prelude
02. We Are The Future
03. Jägerbomb
04. Devil's Party
05. Ghost In The Mirror [with Caleb from BEARTOOTH]
06. Rx Overdrive
07. Wildfire
08. Dj & Drum solo
09. Omen
10. Countdown To Hell
11. Revolution
<アンコール>
12. System X 〜 Xeno

160922_cft_8.jpeg

 

160922_cft_9.jpeg

 

160922_cft_12.jpeg

 

160922_cft_15.jpeg

 

160922_cft_16.jpeg

 

160922_cft_4.jpeg

 

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる