ニューロティカ&bambooが考える、老舗バンドこそクラウドファンディングを使うべき理由

ニューロティカ&bamboo語る老舗バンドの戦い方

20160905-newroteka8.jpg

 

「言い方とかイメージのつけ方も考えないと」(bamboo)

――今回のプロジェクト(https://camp-fire.jp/projects/view/9385)は新宿ステーションスクエア(新宿アルタ前広場)でのフリーライブですよね。なぜあの場所でフリーライブをしたいと思ったのでしょうか。

アツシ:新宿というのはやはり大好きな街ですし、あの場所は話題になるところでもありますから、昔からライブをしたいという気持ちはありましたけど、どうすればできるのかが分からなかった。そんなときにオイスカ(Oi-SKALL MATES)があの場所でライブをしたので、プロデューサーである新宿LOFTの店長にどうやったのかという話を聞いて、偶然知り合った代理店の人にも相談したんです。で、試行錯誤しながら最終的にbambooに相談しようということになりました。

――もともとクラウドファンディングありきというより、まずはやろうと思い立って、手段を探した結果再びクラウドファンディングに行き着いたんですね。

NABO:自分たちでやろうとしたんだけど、よくよく考えたらお金がどこにあるのかなって(笑)。2年前にやったばかりだから頻繁にやるのはよくないなと思いつつ、bambooに相談したら「大丈夫じゃないか」と言ってもらえたので、実施することになりました。とはいえ、1回成功しているバンドが2回目に失敗したらバンドのイメージも悪くなるだろうから、そこへの怖さはありましたね。

bamboo:別に何度使っても良いと思いますよ。ただそこに、価値と筋が通ってるかどうかが肝になるだけで。

――今回どんどん支援額が伸びていて、ストレッチゴールとして250万円を突破した場合はCDを配布することも決まりました。達成した場合、具体的には当日どのような形で配布されるのでしょうか?

bamboo:昔のインディーズバンドは「ソノシート配布ギグ」みたいなのをやることが多くて。その2016年版だと思っていただければと。あとは場所的にニューロティカを知らない人も多いだろうし、昔は知っていたけど追っていない人もいるでしょうから、そんな人たちに“今のニューロティカ”を見てもらったうえで、CDを通して「昔より精力的に活動していますよ」というのを感じて欲しいんです。

KATARU:内容としては、過去のライブ音源とかレコーディング音源をまとめたものにしようと思ってます。当日やったセットリストにいくつか加える形で。

20160905-newroteka9.jpg
JAMES

――ニューロティカのみなさんは映画プロジェクトサクセス以降、後輩バンドからクラウドファンディングについて相談されることはありますか。

アツシ:相談は……されないかな(笑)。

JAMES:でも、映画を作って、その制作資金をクラウドファンディングで募るものは増えましたよね。「ロティカが出来たから、俺らにも出来る」って思われているのかも(笑)。俺の友達のバンドも、今回はクラウドファンディングで音源を作ると言っていました。

bamboo:僕のところには結構相談がきますね。一番多いのは「良い環境でしっかりした音源を作りたい」というものです。僕の持論ですけど、やっぱりお金をかけるぶんだけ、音はよくなりますから。アドバイスはするけど実際に携わることは少ないですね。やっぱり、まだビビってる人は多いと思いますよ。そもそもお金を集めるという言い方にも疑問があるんですけどね。自分たちのパフォーマンスだったり、クリエイトしたものを売るというのは、普段やってることと変わらないわけですから。

NABO:「資金をご支援」って言葉がよくないのかもしれないね。なんか政治家っぽいというか。

bamboo:パンクバンドとは、対極にある言葉ですからね。

NABO:そうそう(笑)。だからお客さんも「クラウドファンディングはダメ」ってハナから思っちゃう人がいっぱいいる。どう言えばいいんだろうね?

bamboo:milktubだと「悪巧み」という言葉を使っていますね。共謀して面白いプロジェクトを実現させようぜという意味合いで。海外は寄付文化が発達しているから「パトロン」で構わないと思うんですけど、日本は日本なりの言い方として適切なものがあるのかもしれません。それに、冒頭にも言ったように、この仕組みって単純に言うと「作ったものを買ってもらう」だけなんですよね。買ってもらううえで、金額次第で特典が増えますよというだけの話なので、言い方とかイメージのつけ方も、クラウドファンディング業界の人には考えてほしいところです。

――音源や映画という形になって残るものなら受注生産というわかりやすいたとえがありますが、ライブだとまた違った感覚になりますよね。

bamboo:逆に、今回は音源ではなくフリーライブだから成功したという部分もあるんじゃないかと思っているんです。あと、当初はライブをするための全額を設定する予定だったのですが、僕のほうから「集める金額とは別に、バンドとして50万円は出してください」とお願いしました。客観的に見て、すこし図々しいように思えたというか、「50万円は出してるけど、100万円足りないから、みんな頼む」というのならまだ理解できると感じたので。

NABO:bambooがうちのチームにいなかったら、失敗する可能性もあったかもと思えるよね。

KATARU:この間はニコ生でうちのファンと喧嘩してたし(笑)。

bamboo:それは、キュレーターの仕事だと思っています。僕がキュレーターをやる案件のアーティストに関しては、なるべく生々しい話はさせたくないんですね。僕が通訳として、ファンの方にわかりやすく説明して、防波堤になるのも役割の内ですし。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる