フランク・オーシャン、カイゴ、サニーデイ・サービス…2016年夏の記憶に刻まれる5枚

 この人のアルバムは全然予備知識なかったんだけれど、タワーレコードの試聴機で聴いて一発で気に入ってしまった。

Japanese Wallpaper 「Forces Ft. Airling」

 Japanese Wallpaperは、オーストラリアはメルボルンを拠点に活動する10代のマルチ・インストゥルメンタリスト、Gab Strumによるプロジェクト。SoundCloudで公開された楽曲をきっかけにまだ本国でも注目されはじめたばっかりで、デビューEPに新曲とリピックスを追加した『Japanese Wallpaper』が日本でのデビュー作となる。サウンドは、ザ・ポスタル・サーヴィスからM83、アウル・シティーを想起させるような、ドリーミーでロマンティックなエレクトロ・ポップ。ポーター・ロビンソンに通じるところもある。

 いちリスナーとして、こういうのに、ほんとに弱いのです。エレクトロニックな音色を用いて「幻想」を描き出すような人。ちょっとテイストは違うけれど、メルボルンを拠点に活動するアーティストとしては、アヴァランチーズ(久々の新作素晴らしかった!)とかチェット・フェイカーの系譜に属するとも言える。

The Avalanches 「Frankie Sinatra」
Chet Faker「Gold」

 あの街にも一度旅行で訪れたことがあるんだけど、ノルウェーのベルゲンと同じく、どこか「世界の果て」みたいな感じのする小さな港町だった。そういう場所で生まれる音楽に惹かれているのかもしれない、と思うことがある。

■柴 那典
1976年神奈川県生まれ。ライター、編集者。音楽ジャーナリスト。出版社ロッキング・オンを経て独立。ブログ「日々の音色とことば:」Twitter

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