『RockCorps』インタビュー
『RockCorps』が提唱する、音楽と社会貢献の新たな結びつき プロジェクト創設者インタビュー
きっかけができれば、その後もボランティアを続けてくれている人がいる
ーーボランティアプロジェクトもさまざまな種類が用意されていると聞きました。
スティーブン:農家でのお手伝い、仮設住宅に行って住宅施設の清掃、海岸の清掃など、本当にさまざまな種類のボランティア活動があります。東京でのボランティアもありますし、インドアなものもあるので、体力に自身のない方も参加することができます。
ーー今年の参加アーティストについてもお伺いしたいと思います。
スティーブン:まずカーリー・レイ・ジェプセンを選んだ理由としては、日本と繋がりがあるアーティストということ。彼女は日本のことが大好きで、ポジティブな考え方を持っている。そしてなによりもライブのパフォーマンスがとてもよい。オーディエンスとの関わり方も上手で、会場を盛り上げることができるアーティストだと思います。
ーー日本のアーティストはいかがでしょう?
スティーブン:同じような要素を持った人たちではなく、それぞれが引き立つような違うタイプの音楽を常に集めるようにしています。ASIAN KUNG-FU GENERATIONは言葉に力のあるアーティスト。カーリーとは違ったものを提供してくれると思います。HYもまた違うタイプの音楽性で、バラードのような聴かせる楽曲もある。アンバサダーの高橋みなみさんは、日本のアイドルシーンの第一線を走ってきた方なので、そういう要素も取り入れたかった。最終発表されたAqua Timezも音楽性は違うけれど、HYファンの人、アジカンファンの人が彼らを知らなくても「このアーティストもいいね」と思ってもらえるのではないかと。それぞれの音楽を知らなかった人でも楽しめるような人たちを選びましたね。
ーー今回の開催は、これまでと変わったところはありますか。
スティーブン:特別な感情はあります。3.11から5年が経った節目の年なので。そして今年の夏はオリンピックもあって、次の2020年に向けて東京にも注目が集まる年だと思います。日本自体が世界からの注目を集める年になると思いますが、福島は震災から5年経った今も、まだまだ復興にいろいろな人の力が必要だということをRockCorpsを通して世界中の人に知ってもらえるきっかけになればと思います。そういう特別な思いや感情があります。
ーースティーブンさんからみて、ここ数年で日本人のボランティアに対する思いに変化はあったと思われますか?
スティーブン:僕の一番の喜びは、ボランティアに行って昨年も一昨年も参加してくれる人たちに会うことができること。その方たちが自分のところに来て「ボランティアをしました」と言ってくれたり、ソーシャルメディアを通じて「ボランティアをしてきた」ということを書いてくれているのはすごく嬉しい。きっかけができれば、その後もボランティアを続けてくれている人がいるのかなということは感じました。
ーーRockCorpsをきっかけとして、ボランティア自体に興味を持たれる方が少しずつ増えてきているんですね。
スティーブン:そうですね。これをきっかけに、もっともっとさまざまなボランティアをしてもらえたら嬉しいですね。RockCorpsは、石を池に落としたときに水しぶきが広がる、その石でありたい。きっかけであって、あとは自然に広がっていくという、そういうものでありたいなと思っています。
(取材・文=久蔵千恵/写真=(C)RockCorps supported by JT)
■公演概要
『RockCorpsセレブレーション』
日時:2016年9月3日(土)開場 13:00 開演 14:00 終了 18:00(予定)
会場:あづま総合体育館(福島県福島市佐原字神事場1番地)
※開催時間は変更になる可能性あり
<公式アンバサダーアーティスト>
高橋みなみ
<参加アーティスト>
カーリー・レイ・ジェプセン、ASIAN KUNG-FU GENERATION、HY、Aqua Timez
<参加資格>
・満20歳以上の方 ※ボランティアイベント参加時点
・RockCorps supported by JT 2016のボランティアイベントに参加した方
※ボランティアなどの詳細はRockCorpsオフィシャルサイトにて