SPEEDSTAR RECORDSレーベル長、小野朗氏インタビュー「メジャーレーベルとして、タコツボの臨界を超えていく」

SPEEDSTAR小野朗氏のレーベル運営術

「アーティストと同じ方向を向けたときに何かが起きる」

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ーー音楽ジャンルが多様化する中で、「ロック」を掲げてきたSPEEDSTARのレーベルのあり方も変化していきそうでしょうか。

小野:変わっていかざるを得ないと思います。アーティスト自身も自らで発信していける時代ですし、その上でレーベルとしてはアーティストとしっかり話し合う。何度も何度も話し合って、楽曲制作や露出方法の精度高めていく。それでアーティストと同じ方向を向けたときに何かが起きると思いますので。

ーーここまで伺ってきたような考えに至ったのは、小野さんご自身の音楽遍歴によるものでしょうか。

小野:そうかもしれませんね。僕はロックから音楽に入ったわけではないんです。子供の頃からクラシック音楽を習っていて、高校3年生までピアノを弾いていました。音楽シーンとして記憶にあるのは、確か小学校2年生のときにYMOがデビューしたこと。その時からポピュラーミュージック、歌謡曲を聴くようになり、一方でマイケル・ジャクソンなんかも聴いていました。自分では高校に軽音部に入って、いろいろなバンドのコピーをしてみたり。大学時代にはバンドブームも起こっていたし、大学では周りにジャズを聴いている人間がいたり、ブラックミュージック、ダンスミュージックにも興味が出てきて、常に多様な音楽に囲まれていたなと。それで自ずとレコード会社を目指す、みたいな感じでしたから。

ーーそして2015年からは、新たな取り組みとして、ストリートダンスとライブバンドを融合させたエンターテインメント「WEFUNK」をスタートさせました。(参考:「WEFUNK城田寛治✕SPEEDSTAR RECORDS小野朗が提示する、音楽とダンスの新たな関係」)

小野:1月にZepp Tokyoで「WEFUNK WORLD FSESTIVAL vol.1」というイベントを開催しましたが、しっかり事業として軌道に乗せたいなと考えています。いわゆるレーベル事業とダンス事業が、SPEEDSTARの大きな柱となるようにしたいと。教育のカリキュラムにダンスが入るようになったり、早稲田大学と慶応大学のストリートダンスのサークルだけで所属している人数が2000、3000人いたり、ダンス人口は非常に大きくなっている。だけど、音楽とダンスには実は壁があるんですよね。それをまずは生のバンド演奏をバックに踊るWEFUNKという参加型のイベントを通して、音楽とダンスを身体的に感じてもらって、面白さを提示していく。それから「J-POPナイト」みたいに、J-POPの楽曲だけのバンド演奏で踊るというイベントも企画中です。これまでのWEFUNKにもJ-POPの楽曲でパフォーマンスするチームがいくつか出ていましたが、かなり盛り上がる。いろいろな可能性を描きつつ、行政ともタッグを組んでという将来的なビジョンも考えています。

ーーその他にはどんなことを考えていますか?

小野:個人的な希望だと、合唱も面白そうだなと思っています。『表参道高校合唱部!』(TBS系)というドラマが好きで毎週観ていたんですけど、レーベルの事業として合唱もアリだなと。そういうアイデアを実現するためにも、レーベルとして今年は新人アーティストに力を入れつつ、WEFUNKも軌道に乗せていきたいですね。

(取材=神谷弘一/構成=橋川良寛/撮影=三橋優美子)

■SPEERSTAR RECORDS オフィシャルサイト
http://www.jvcmusic.co.jp/speedstar/

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