SMAP 稲垣吾郎、癖のあるキャラでこそ個性を発揮する? 『不機嫌な果実』“ダメ夫”役への期待
SMAPの稲垣吾郎が、4月29日スタートの林真理子原作ドラマ『不機嫌な果実』(テレビ朝日系)に出演することが決定した。同作では、妻(栗山千明)に浮気される“ダメ夫”水越航一役に挑戦するという。これまでの俳優キャリアでは、ソムリエや医者などインテリタイプの役が多かった稲垣。出演発表の際には各メディアに対し「(演じるキャラが)すごく潔癖でマザコン…これが僕のパブリックイメージなんだろうな』と、直感しました(笑)」とコメントし、さっそく大きな注目を集めた。今回のドラマ出演を機に、俳優としての稲垣の魅力について改めて考えてみたい。ジャニーズの動向に詳しいライターの佐藤結衣氏に話を聞いた。
「稲垣さんは自身の美学やこだわりが強い人に見えます。こだわりの強さは他人に厳しい一面にもつながると思うので、今回の役柄も広い意味ではパブリックイメージと言えるかもしれません。『潔癖』『マザコン』がご自身のパブリックイメージでは、と公言したのには驚きましたが、今回稲垣さんが演じる夫役は、稲垣さんのキャスティングに合わせ、原作にはなかった『潔癖性』の設定が付け加えられたという経緯があるそう。それを受けたコメントだったようです。俳優としての稲垣さんは、役に合わせて七変化するというよりは、素の価値観、生き様、芯の強さを演技に反映していくタイプ。『金田一耕助シリーズ』で癖のある金田一耕助を見事に演じたように、小説やドラマに出てくるキャラクターでこそ個性を発揮できる、貴重な存在ではないでしょうか」
また稲垣は、バイプレーヤーとしてのキャリアも豊富な存在だ。主演ではないポジションで演じる今回のような役どころでは、彼の中にある物事の捉え方や少年のような一面が多く反映されていくのではないかと佐藤氏は続ける。
「ミステリアスで寡黙なイメージがある稲垣さんですが、映画やワインなど興味のあることについては人一倍饒舌。ここに少年のような屈託なさがあり、不思議な魅力を持つ方です。また稲垣さんの世代には珍しく、男らしさや野心をほとんど感じさせない方でもあります。木村拓哉さんのような体育会系のタイプとは対照的に、いつも俯瞰して物事を見ながら、自身の世界観を大切にしている印象。40代というよりは今どきの20代くらいの男性の価値観に近いかもしれません。実年齢的には『お父さん』を演じても良い歳ですが、こうした個性も視野に入れると、『マザコンな夫』つまり『子どもっぽさの抜けない夫』というポジションは適役だと思います」