『第58回グラミー賞』は“ポップスの完成度”重視だった? 主要4部門の結果を考察

 また、柴氏はその他の主要部門について下記のように解説する。

「『年間最優秀楽曲』を受賞したエド・シーランは、日本でこそ大ブレイクはしていませんが、以前に【いつの間にか世界最強のポップ・モンスターになっていた、エド・シーランにまつわる6枚】というコラムを書いたように、『X(マルティプライ)』が一年半にわたるロングセールスを記録し、そのなかでも「Thinking Out Loud」は、最も売れ続けた曲だったので、順当な受賞といえるでしょう。また、『年間最優秀新人賞』に関しては、事前の評価としてコートニー・バーネットではないかという声もありましたが、先述したように今回はポップスとしての完成度や浸透具合を考慮したと推察すると、メーガン・トレイナーの受賞や『年間最優秀レコード』にマーク・ロンソン ft. ブルーノ・マーズが輝いたことも納得できるでしょう」

 評価軸や会場の雰囲気など、例年と少し違った趣のある今回のグラミー賞。文化的背景や近年に起こった出来事などを考慮すると、変化の背景が徐々に見えてくるといえそうだ。

(文=編集部)

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