ワンマンライブ『[ jet setter, jet lag tours ♥ tartans' turn ] ep.2 / attack of the tartans』をレポート

meg rockはやはり歌ってなんぼのアーティストであるーー栗原裕一郎が年末ワンマンを徹底レポート

 前回のワンマンで予告されたとおり、2015年はメロキュア・イヤーとなった。8月にリマスターおよびリアレンジなどを収めた"新"アルバム『メロディック・スーパー・ハード・キュア』が発表されたが、リリースに先駆けてインストアライブが各地で展開された。『Animelo Summer Live 2015』にも初出演を果たし、9月には悲願だった初ワンマンライブも実現した。

 そんな1年を振り返ったあと、「次は相棒カヴァーです!」と新アルバムに収録した「笑顔の連鎖」。メロキュアのリーダーである岡崎律子が堀江由衣に提供した楽曲を、もう一人のメンバーである日向めぐみ(meg rock)が歌唱したカヴァーだ。

 

「笑顔の連鎖」が終わったところで、ようやくコートが脱ぎ去られた。現れたのはタータンチェックを基調としたミニのドレス。切り返しを多用し、シースルーのパフスリーブをあしらった凝った作りである。初めて一から作ってもらったというそんな新衣装に、ボーダーのニーハイ、ピンクのブーツという装い。そして「笑顔の理由」へ。

「笑顔の理由」は「笑顔の連鎖」より後に書かれたmeg rockのオリジナルだが、意識的にタイトルを「笑顔のr」まで共通させたという。「カラオケとかで隣に行きたかった」とmeg rock。「冒頭のリリックもリンクさせた部分がある……んだけど、あれ? みんな気付いてなかった?」とmeg rockは意外そうな顔をしていたのだけれど、コアなメグロッカーはむろん勘づいていたようだった。

 

 中盤戦は恒例の、その年に提供した楽曲を中心に組んだセルフカヴァーメドレー。

「vanilla sky」(綾野ましろ。TVアニメ『ガンスリンガー ストラトス』OPテーマ)~「make a wish ♡」(中川翔子)~「サマーヌード・アドレセンス」(夢みるアドレセンス)~「mathemagics」(井上麻里奈。TVアニメ『終物語』OPテーマ)~「border」(ClariS。TVアニメ『憑物語』EDテーマ)……

 そんな並びで提供楽曲が演奏されていったのだが、メドレーのラストに置かれたのはなんと「恋愛サーキュレーション」。『化物語』のOPテーマとして千石撫子役の花澤香菜が歌ったアニソンきってのキラーチューンだ。諸事情から花澤のライブでも歌われてこなかったそうなのだが、ついに2015年、花澤のツアー初日の武道館で初披露され、ファンが驚喜したのはもちろん、アニソン界隈ではちょっとしたニュースにまでなっていた。meg rockがこの日のメドレーに「恋愛サーキュレーション」を加えたことには、花澤による初演を受けた意味合いもあったのだろう。

「恋愛サーキュレーション」は演奏の途中から、これも恒例である「meg rock合唱団」の課題曲にスライドした。会場のお客さんに即席の合唱団員になってもらい、ステージとの交流を深めるのが狙いの余興だ。書くときにイメージしていたコール&レスポンスがあるのでそのパートを課題に、と合唱指導をするmeg rockの身振りがラッパー風で、キュート炸裂のこの曲を作者としてはそういう気分で書いていたのかというミスマッチが面白かった。

 

 メドレー各曲の説明の後、23曲中17曲の作詞を担当しているという『歌物語 〈物語〉シリーズ主題歌集』(アニプレックス)発売のお知らせ(1月6日に発売された)を挟んで、メロキュア・コーナーへ。大好きだけれど1、2曲という制約が多くなかなか歌う機会がないという「ALL IN ALL」、次に「めぐり逢い」、そして新アルバムに収録されたリアレンジの「ふたりのせかい [メロキュア meets 川口圭太]」の3曲が演奏された。

「来年は2016(ロック)年!」「もう6(ロック)回寝たら2016(ロック)年!」とともかく6をロックに引っ掛け倒したトークやケーキタイム、バンマス黒須"ローリン"克彦が自然に呼ばれるといったプチなトラブルもあって少し長めに取られたMCが明けて後半戦へ。

 このワンマン前日の12月25日に配信された新曲「twinkle, sparkle」、昔からファン人気の高い「clover」、それからやはり配信で先行リリースされた「star」。「twinkle, sparkle」は新曲ではあるものの、冬季のライブ限定曲として今までも年末のライブでのみ披露されてきたそうだ。前回初めて参加したmeg rockワンマンでもっとも印象に残ったのは「star」だったのだが、今回もこの曲は鮮烈に響いた。アレンジの妙だろうか、ライブ映えする楽曲である。

「ラスト2曲! まだまだほとばしれますか-?」とフロアを鼓舞してラストスパート、「play loud」「この左手は君のもの」を演奏してワンマンはひとまず幕となった。

 アンコールを求めるハンドクラップに応え、本ライブグッズのTシャツに着替えたメンバーが再登場。meg rockはその上にやはりグッズであるガウンを着ている。物販コーナーで見たところでは5種類のタータン地を継ぎ合わせたガウンで、少々……というかだいぶ派手である。「普段使いできるようにシックにした」というmeg rockの説明に会場から笑い(苦笑?)が漏れる(もちろん冗談だったと思うけど)。

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