スガ シカオが提案するリッチな“新曲との出会い方” 『THE LAST』生ライブ試聴会&ACOUSTIC NIGHTを観た

スガ シカオ『THE LAST』ライブツアーレポ

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 続いて第二部は、「クリスマスということで、いつもとはちょっと違う感じで――」と、アコースティック編成でのステージ。まずは一人「アイタイ」をアコースティック・ギターの弾き語りで艶やかに歌い、続く「フォノスコープ」でパーカッションやウッドベース、フルートなどのメンバーがステージに登場する。ソロの弾き語りライブをやったことは幾度となくあるスガ シカオだが、バンドスタイルのアコースティック・セッションは初めてのことなのだとか。「個人的にすごく好きな曲」と語った「宇宙」をしっとりと披露し、「夜空ノムコウ」「黄金の月」などの代表曲も、しなやかなアンプラグドのアレンジで届ける。

 後半はスガ シカオもエレキギターに持ち替えていつも通りの編成に戻り、「19才」や「コノユビトマレ」など、エネルギッシュなパーティーナンバーを続ける。本編ラストは「青空」。そしてアンコールは「午後のパレード」から「91時91分」で大いに盛り上げる。最後は「クリスマスソングを歌おうと思ったんだけど、そんな曲がないので、真冬の12月の歌を歌います」と告げて、「Cloudy」を披露。結局、第二部では全17曲、第一部の新曲7曲とあわせて合計24曲を演奏し、大きな満足感を余韻に残してスガ シカオはステージを降りた。

 この日、会場ではCDの予約販売も行われていた。今回スガ シカオが行った「生ライブ試聴会」は、アルバムをリリースしそれを引っさげてのツアーを行うことが慣例となっている音楽業界的には、前代未聞の試みかもしれない。が、ファンにとってみれば、ライブでいち早く新曲を体験できるというのはかなり嬉しいもの。少なくとも、テレビやラジオ、YouTubeやSNSを通じてアーティストの新曲に触れることが当たり前になっているなか、最もリッチで満足のいく「新曲との出会い方」の体験になったのではないだろうか。

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 他にも、こうした形でツアーを行うアーティストは増えてきている。Mr.Childrenは昨年にリリースしたアルバム『REFLECTION』の収録曲を発売前の全国アリーナツアーで披露し、最終日の6月4日にアルバムをリリースしている。ゆずも1月13日発売のニューアルバム『TOWA』のリリースに先駆けた「アルバム発売前ツアー」を行ったばかりだ。

 「ライブの場でファンに最初に新曲を届ける」というスタイルのツアーが少しずつ広まっていくなか、スガ シカオのとった「生ライブ試聴会」というスタイル、生演奏+リリックビデオという見せ方は、一つの解となっていくかもしれない。そんなことを思った一夜だった。

(文=柴 那典)

■関連リンク
アルバム『THE LAST』特設サイト
http://www.jvcmusic.co.jp/sugashikao/
SUGA SHIKAO TOTAL INFO
http://www.sugashikao.jp/

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