乃木坂46の13th選抜に見る“清々しい攻めの姿勢”とは? 各ポジションの配置意図を読み解く

 選抜メンバーばかりに気を取られてしまったが、アンダーメンバーについても触れておきたい。選抜が16人編成に減少された理由の1つには、実はアンダーライブの強化も含まれているではないかと考える。12thシングル『太陽ノック』のリリースタイミングはドラマ『初森ベマーズ』の撮影や『真夏の全国ツアー2015』があったことから、残念ながらアンダーライブを行う余裕が一切なかった。しかし、13thシングル『今、話したい誰かがいる』では選抜メンバーにほぼ動きがないことから、アンダーメンバーも変わらない。そんな中、10月中旬からアンダーライブがスタートし、年末には日本武道館での単独公演も決定している。これら一連の活動はアンダーメンバーにとっても正念場といえるだろう。そこに昨年のアンダーライブで中心的活躍をした斉藤優里と、一度選抜メンバーを経験した新内眞衣が復帰することで、新たな化学反応が起こるかもしれない。確変を迎えつつある中元日芽香、「センターデビューから今はアンダー」という経験を経てさらに一皮剥けそうな堀未央奈など、選抜と引けを取らない彼女たちは、すでに完成の域に達しつつある。だからこそ、アンダーメンバーにも新たな起爆剤が必要なのだ。斉藤や新内がアンダーにもたらすもの、そして武道館単独ライブへ向けた士気の高め方。彼女たちの躍進は、間違いなく2016年以降の乃木坂46に大きな影響を与えるはずだ。

 10月1日からは13thシングル選抜メンバーの3列目6人と斉藤&新内の計8人が出演する舞台『すべての犬は天国へ行く』が、AiiA 2.5 Theater Tokyoで上演される。そして10月15日からは同会場で『アンダーライブ 4thシーズン』がスタート。10月28日の13thシングル発売までも数々のスケジュールが組み込まれている。1年前と比べれば明らかに忙しさが尋常ではないだろうが、これを乗り越えた先に何が待っているのか。今から楽しみでならない。

■西廣智一(にしびろともかず) Twitter
音楽系ライター。2006年よりライターとしての活動を開始し、「ナタリー」の立ち上げに参加する。2014年12月からフリーランスとなり、WEBや雑誌でインタビューやコラム、ディスクレビューを執筆。乃木坂46からオジー・オズボーンまで、インタビューしたアーティストは多岐にわたる。

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