アイマス楽曲がチャート上位にランクイン マルチメディア戦略の強みを読む

 とはいえ、この作品の本体となっております携帯ゲームのほうは今もって熱心な課金勢に支えられて堅調ではありまして、ここでCDが売れようが売れまいが、まあ売れた方がいいに決まっているけどそれはそれとして、別に痛くはないわけです。このへんは意外と、握手会やチェキ会、ライブ物販などで経営を安定させつつCDリリースも継続して行うという長期化した地下アイドルなどと似たものが感じられるところです。今やこうした二次元ビジネスの維持費はスマホゲーで捻出するのが基本になってきましたので、皆さんもまずは課金に努めつつライブ参戦を目指し、CDもまあコレクターグッズとして買うのがいいのではないでしょうか。ましてアイマスの場合は三次元アイドルのAKBと同じだけの年数を積み重ねたという良さがあるわけで、これはポッと出のアイドル系アニメにはどんなに頑張っても真似できないところではあります。ちょうど、もともとこの作品が参照したハロプロのように「伝統あるアイマス勢」を売りにすることができるわけです。

 ただ、となるとメーカー的には、もっと売り上げを上げたいなら今どきのアニメみたくゴージャスなオマケによる付加価値の高いCDにしないとまずい時代になっていくかもしれません。

■さやわか
ライター、物語評論家。『クイック・ジャパン』『ユリイカ』などで執筆。『朝日新聞』『ゲームラボ』などで連載中。単著に『僕たちのゲーム史』『AKB商法とは何だったのか』がある。Twitter

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