万能札、Tチケット……コンサートチケットに変化の兆し 多機能化はどこまで進むか?

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CCC カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 HPより

 もう一例として、TSUTAYAの「Tカード」をチケット代わりに利用する「Tチケット」というサービスも2014年12月からスタートしている。カード会員が5,000万人を超えるというTカードがそのままチケットの役割を果たす。

 同サービスは現在、音楽のみならず、アミューズメントパーク、アート展、ホテル、スポーツなど、さまざまな業態の入場チケットとして導入されており、今後も導入数を増やしていく予定とのこと。

 Tカードも個人に紐づいたカードのため、チケットの転売を防ぐ効果がある。また、発券の必要がないため、チケット料金以外の手数料がかからないのも魅力のひとつだ。Tチケットは、Yahoo! JAPAN IDを使用してPCまたはスマートフォンから購入する仕組みとなっている。

 また、Tチケットを使って入場すると、Tポイントが貯まる。Tカードの電子マネー機能「Tマネー」をあわせて利用できるため、飲食や物販でTカードを導入している会場であれば、『京都大作戦』のように現金いらずでコンサートを一日楽しむことができるという。

 コンサートチケットのこのような動向に関して、先述の関係者は以下のように語った。

「顔認証のようなセキュリティ機能を求める声がアーティスト側からも増えているので、ICカード等を利用したチケットシステムは、より精度があがってくるのではないでしょうか。また、コンサート会場で使える独自のポイント制度や、スタンプラリーのような機能をもたせる企画も出ています。それ以外にも、スマートフォンの画面上にチケットが表示されるシステムなど次々と新しいスタイルが誕生しているように、それぞれの需要に合わせたかたちで、今後もチケットシステムは多様化していくのではないでしょうか」

 乗車券の分野では一足早く、SUICAやPASMOなどのICカードが、乗車カードとしての本来の役割を果たしながら電子マネーとして活用されている。コンサートチケットの場合は、一公演ごとに発券されることが一般的であるため、これまで多機能化が進んでこなかった面もあるが、セキュリティ面での強化や来場者の利便性向上などを理由として、特にフェスなどのイベントや大規模公演でこのような新たなチケットシステムの導入は増えていくのかもしれない。音楽の聴取スタイルが時代とともに変化しているように、チケットシステムにも今後新たな潮流が生まれそうだ。

(文=久蔵千恵)

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