鈴木雅之がデビュー35周年にしてメガブレイク そのSUZUKI FEVERの要因とは?

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 鈴木雅之の最新アルバム『ALL TIME BEST ~Martini Dictionary~』のセールスが好調だ。シャネルズのデビュー35周年を記念して制作された本作は、シャネルズ~ラッツ&スターのグループ時代とソロ時代の代表曲を収録したベストアルバム。3月4日の発売後、オリコンのウィークリーアルバムランキングで3週連続トップ10入りし、3月22日付の同デイリーアルバムランキングではB’zや久保田利伸、SEKAI NO OWARIを抑えて遂に1位を獲得。自他共に認める「ラブソングの王様」が、文字通り王座を獲得した。

 リリースから3週間も経て1位を獲得した理由のひとつには、積極的なテレビ出演が考えられる。2月15日放送の『行列ができる法律相談所』(日本テレビ系)に出演し、「夢で逢えたら」を歌唱したところ19%もの視聴率を獲得。3月5日放送の『スッキリ』(日本テレビ系)にも生出演して15分以上の大特集が組まれたほか、3月7日放送の『MUSIC FAIR』(フジテレビ系)でも出演者と鈴木雅之の代表曲を共演した。

 シャネルズのデビューは1980年。当時、彼らに夢中になった20~30代のファンは、今やすっかり中高年だ。彼らが日々、スマホやネットを駆使して積極的に新譜をチェックしているとは考えにくいし、正直、彼らの情報源はテレビの占める割合が大きいだろう。果たして、現在主婦になった女性は朝のワイドショーで、会社に務めるお父さんは休日に夕飯を食べながら、青春を共にしたスターのアルバムリリースを知ったのではないか。さりとて、さほど慌てることもなく、次の週末に街に出掛けてCDを購入。またはゆっくりネットを見られる休日にポチッとクリックしたのだろう。その証拠に本作が1位を獲った3月22日は日曜日。チャートには前日のデータが反映されるので、このベスト盤は土曜日に日本でいちばん売れたアルバムということになる。

 好セールスを後押ししたもうひとつの理由は、長いキャリアにして本作が初のオールタイムベストだということ。これまでにもベスト盤は数種リリースされているが、ソロ時代とグループ時代それぞれに焦点を当てた超豪華仕様の限定生産のボックスセットだったり(『Martini Box』『The Complete ~History of RATS & STAR~』)、ライブベストだったり(『LIVE THE ROOTS~could be the night~』)、テーマセレクションだったり(『Martini Duet』『Medium Slow』)と、シャネルズもラッツもソロも全部がいっぺんに楽しめるヒット曲ベストがなかった。そんなところにリリースされた本作は、ファンならずとも手にしたくなる、「これを持っておけば安心」的なベストアルバムだったに違いない。

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