乃木坂46、11thシングルから読み取れる「懐古と再出発」とは? バラエティに富んだ収録曲を読み解く

 以上の楽曲たちはいずれも「懐古と再出発」というテーマが多かれ少なかれ含まれているのだが、その中で全くの異色を放つのが共通カップリング曲の「あらかじめ語られるロマンス」である。最近の乃木坂46の楽曲はリアリティーや切なさ、影のある楽曲が多かったが、ここまでひたすらキラキラした恋愛ソングは9th「夏のFree&Easy」以来かもしれない。星野みなみと齋藤飛鳥がダブルセンターを務め、堀未央奈も参加するこの曲は10thシングルに収録されている「私、起きる。」、1stアルバム収録の「なぞの落書き」に続く若手主体の楽曲だ。先の2曲もそうであるように、この枠は表題曲やアンダー曲とはまた別の路線をひた走っているようだ。

新たなステージへの幕開け

 11thシングル「命は美しい」は1stアルバムをリリース後初のシングルとなる。今回のシングルは、表題曲で現在の乃木坂のサウンドを提示しつつも、カップリング曲で“こんなメンバーでこんな曲が歌えます、また別の組合わせならこんなこともできます”という振り幅もみせている。10thシングル、1stアルバムのリリース、3rd Birthday Liveを終え、一つの時代の幕を閉じた乃木坂46が、現状ベストの選抜メンバーで臨む11thシングル「命は美しい」。彼女たちはこの自信作とともに次のステージへの幕を堂々と開けるだろう。

■ポップス
平成生まれ、音楽業界勤務。Nogizaka Journalにて『乃木坂をよむ!』を寄稿。

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