藤原さくらが明かす、音楽的ルーツと曲作りのプロセス「いいなと思う音楽をどんどん追求したい」

藤原さくら - Walking on the clouds

「いちばん大事なのはメロディ」

――楽曲についても聞かせてください。1曲目の「Walking on the clouds」は、カントリー、ジャズのエッセンスが感じらえるポップチューン。2曲目の「Cigarette butts」は憂いを帯びたメロディとギターのストロークが印象的なナンバー。どちらも英語詞ですが、やはり英語のほうがしっくりくる?

藤原:いろいろですよね、そこは。英語の発音、響きは好きだけど、ライブに来てくれる人全てが理解してくれるわけではないし、曲の説明をしないと何を歌っているのかわからなかったりするので。日本語の歌詞も大切にしたいし――思いが強いと日本語の歌詞をガーッと書いたりするので――英語の雰囲気で歌いたいときもあるし。いちばん大事なのはメロディなのかなって思いますね。

――3曲目の「My Heartthrob」は日本語の歌詞によるラブソングですね。

藤原:この曲だけは高校生のときに作ったんです。JKっぽさが出てますよね……作ったときはそんなこと考えてなかったけど(笑)、やっぱりいまとは違いますからね。次の日学校に行けば、その人がいるっていう。そういう状況のときにしか書けない曲ってあると思うんですよ。いまはいまで、高校生のときには書けなかった曲が書けていると思うし。そのときにしか書けないものを大事にしながら、曲作りをしていきたいなって。

――「Just one girl(Original Ver.)」はドラマ「学校のカイダン」の挿入歌のオリジナルバージョン。

藤原:挿入歌(「Just one girl」)はドラマに寄り添うかたちで弾き語りを基調としたアレンジに仕上げていただいたんですけど、Curly Giraffeさんの色がより強く出たオリジナルバージョンも素敵で。ペダルスチールも入っていて、すごくいいんですねー。挿入歌になったことで、同じ年くらいの女の子から感想が届いたり、いままでとは違う人たちに自分の曲を聴いてもらえたのも嬉しかったですね。メジャーデビューさせてもらったことで、ラジオやテレビで曲が流れることも増えると思うし、いろんな人たちの反応を感じながらやっていきたいなって。

――曲を書いたときもドラマの世界観を意識してたんですか?

藤原:そうですね、事前に台本を読ませてもらったりして。学校が舞台のドラマだから、すごくイメージが湧きやすかったんですよね。私も去年まで高校生だったし、思春期ならではの葛藤だったり、いろんな気持ちを思い出しながら…。自分に近いところで書けた曲ですね。

――「We are You are」はアルバムのなかでもいちばんポップな手触りのナンバー。歌詞の内容もポジティブですよね。

藤原:明るさのかたまりみたいな曲です(笑)。辛いこととか悩みを抱えることもあると思うけど、みんなを元気づけられる曲になったらいいなって。英語も簡単だし、“私たちは生きている”というメッセージが伝わったら嬉しいですね。

――最後の「ありがとうが言える」は上京後のさくらさんの感情がストレートに出た曲。

藤原:いままではずっと家族と一緒だったし、寂しい思いをしたこともなかったんですよ。東京でひとり暮らしをするようになって、初めて親のありがたさがわかったというか……すごいホームシックになりまして。両親は私の活動をすごく応援してくれてるし、私の音楽が好きだって言ってくれるんですよ。言葉で“ありがとう”って言うのは照れくさいけど、こうやって歌にして伝えられるのは幸せだなって、泣きながら書いてました(笑)。自分のことだけではなくて、この春から新生活を始めて、親から離れた人にもぜひ聴いてもらえたらなって。いろんな人に共感してもらえる曲になったと思います。

――ライブで歌うとき、泣いちゃったりしないですか?

藤原:泣いちゃうかもしれないです。上京する前に「Goodbye」という曲を作ったんですけど、インストアライブでもいつも泣いてたので。号泣の嵐ですよ。

――号泣の嵐(笑)。意外とエモいんですね。

藤原:そう、エモいんですよね。涙もろいのかな?

――『à la carte』の楽曲にも濃い感情が込められてますからね。

藤原:うん、そうですね。しっかり気持ちを込めて作ったので。たくさんの人に聴いてもらいたいですね、ホントに。

――これまでの作品はオーガニック、アコースティックという言葉が似合う音作りですが、やっぱりそういう傾向の音が好きなんですよね?

藤原:そこも極端なんですよね。もちろん生楽器の音は好きなんだけど、ボカロの曲とかも聴くので。まさに私の母親がそうなんですけど、年配の方だと「機械音は苦手。やっぱり生楽器がいちばんいい」って方が多いかもしれないけど、身近な友達はボカロが大好きだったりするので、私もそれをすんなり受け入れているというか。

――音楽性が広がっていく可能性もある?

藤原:そうですね。Inter FM(「NEXT UP!」)でDJをやらせてもらってるんですけど、そこで好きな曲をかけていると、リスナーの方から「これも好きだと思います」とか「この曲をカバーしてほしい」って知らなかった曲を教えてもらえることもあって、そのたびに世界が広がっていくんですよね。よくタワレコに行って、CDをどっさり買ったりしてるし(笑)、これからも自分がいいなと思う音楽をどんどん追求していきたいと思ってます。

(取材・文=森朋之)

■リリース情報
『à la carte』
発売:2015年3月18日
¥1,800+TAX VICL-64288
01. Walking on the clouds
02. Cigarette butts
03. My Heartthrob
04. Just one girl ( Original Ver. )
05. We are You are
06. ありがとうが言える

iTunes
https://itunes.apple.com/jp/artist/id824050375

■ライブ情報
「bon appétit」
【福岡】
会場:ROOMS
日程:2015年6月21日(日)
開場/開演:17:00/17:30
INFO:BEA 092-712-4221

【東京】
会場:duo MUSICEXCHANGE
日程:2015年6月26日(金)
開場/開演:18:30/19:00
INFO:HOT STUFF 03-5720-9999
【チケット情報】
料金:¥2,500(税込/ドリンク別)
先行販売:HP先行あり※3/17(火)18:00〜3/25(水)23:59
一般発売:2015年5月16日(土)

藤原さくらオフィシャルサイト http://www.fujiwarasakura.com
レーベルサイト http://www.jvcmusic.co.jp/-/Artist/A019973.html 

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