クマムシ「あったかいんだからぁ♪」だけじゃない? “芸人と音楽”の新たな可能性

 例えば、テツandトモとどぶろっく。彼らは同じ“歌ネタ”で一世を風靡した2組で、CDリリースもすでに行い、アーティストとしての一面を提示している。そして両コンビは、最近『AKBINGO!』(日本テレビ系)内の「コイウタ選手権」というコーナーで、メンバーが考えた歌詞にピッタリの楽曲をつけるというコンセプトで普遍的な楽曲を量産し、多作で良質なメロディメイカーとしての才能を発揮している。

 また、藤井隆は音楽レーベル『SLENDERIE RECORD(スレンダリー・レコード)』を立ち上げ、藤井、椿鬼奴、レイザーラモンRGによる音楽ユニットLike a record round! round! round!が、今田耕司のTOWA TEIプロデュースによるプロジェクト『KOJI1200』として1995年に発表した「ナウ・ロマンティック」をカバー。第2弾として『kappo!』をリリースするなど、3人の音楽通芸人が如何なく力を発揮し、本格的な音楽活動を行っていることも興味深い。

 彼らの後に続こうとしている“歌ネタ”芸人も後を絶たない。ほぼ同時といえるタイミングで若者からの評価を集めた8.6秒バズーカーは、また制作してから半年も経っていないというネタ「ラッスンゴレライ」で大ブレイク。現段階ではCDリリースに一番近い存在ではないだろうか。また、日常生活で起こった疑問を歌謡曲風に歌い上げるタブレット純は、一時期スチールギター奏者の和田弘をリーダーとするマヒナスターズにも在籍していたという異色の経歴を持つ。また、小島よしおやかもめんたるとともにWAGEとして活動していた手賀沼ジュンは、回文ネタを昭和歌謡風やJ-POP風に歌い上げ、『歌ネタ王決定戦2014』で優勝した実力の持ち主だ。

 そして、音楽活動…とは少し違うかもしれないが、エレキコミック・やついいちろうはラジオパーソナリティとして、これまでいくつかの音楽番組を担当。最近では『やついフェス』を開催するなど、オーガナイザーとしての活動を行っている。また、当サイトでもおなじみダイノジ・大谷ノブ彦は、自身がオーガナイザー&DJを務める『ジャイアンナイト』の規模を着実に拡大し、ラジオDJとしての活動も、月曜日から木曜日の13:00~16:00で帯番組を持つ(ニッポン放送『大谷ノブ彦 キキマス!』)など、その勢いは止まる所を知らない。

 もちろん、『ゴッドタン』も負けていない。1月3日に放送された「第12回マジ歌選手権」では、東京03・角田晃広が事務所を去るマネージャーに曲を贈ったり、ダイノジがコンビ揃ってパフォーマンスを披露。劇団ひとりによる鹿賀丈史風ロボットがミュージカル調の楽曲で歌い踊るなど、ユーモアに富んだ楽曲の数々で長きにわたって視聴者を楽しませている。

 歌や踊り、レーベル運営、DJにオーガナイザーなど、多岐にわたる芸人の音楽活動。いずれも芸事としてとらえ昇華できる芸人だからこそ、意外性のある「音楽の楽しみ方」を提示してくれるのかもしれない。

(文=編集部)

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「音楽シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる