女王蜂がなぜNHK朝の生放送に? 新たなポップスターとしての可能性とは
女王蜂が、8月1日(金)に放送するNHKの生活情報番組『あさイチ』に生出演する。
2009年3月にボーカル・アヴちゃんを中心に神戸で結成された女王蜂は、国籍、性別、年齢までもが謎に包まれたバンドだ。2011年9月にリリースされたメジャーデビューアルバム『孔雀』では、収録曲の「デスコ」が森山未來、長澤まさみ等が出演した大ヒット映画『モテキ』メインテーマに抜擢。極彩色の過激なビジュアルに加え、歌謡曲、ハードロック、ノイズなどをミックスさせた先鋭的な音楽性は、さながら“和製レディー・ガガ”とも称され、感度の高い多くのクリエイターや音楽関係者から支持の声が上がったのは記憶に新しい。
デビュー以来順風満帆に見えた活動だったが、2013年2月22日のライブ「白兵戦」を最後に無期限の活動休止に突入。その間沈黙を守り、ちょうど1年後の2014年2月22日(土)、東京・SHIBUYA-AXにて行われた単独公演「白熱戦」より、待望の活動再開に至った。
そんな再始動から約5カ月、これまでメディア露出も少なく、謎に包まれていた女王蜂が、突然“NHKの朝の生活情報番組”に生出演する。もちろん地上波テレビへの生出演は初めてのことで、番組では生ライブも披露されるという。過激で先鋭的なイメージの女王蜂が、夏休みの最中、しかも子供から年配の方まで様々な視聴者層のいる朝の番組に出演するというミスマッチ。今回のニュースを知った人はそう感じた人が多いはずだ。動画サイトのレーベル公式チャンネルにアップされたMVをきっかけに女王蜂に番組への出演オファーをしたNHK「あさイチ『特選!エンタ』」プロデューサーの呉 詠希氏はこのように語る。
「原色のヘアスタイルと強烈なインパクトを与える衣装、そして全体に漂う何とも言えない妖しさとアングラ感が目を引きました。正直最初は“バブル時代の匂いのする際物バンド”とも思ったのですが、動画を見て目からだけでなく耳からも鱗が落ちた感じがしました。どぎついほどきらびやかでポップな世界観は、一見“おふざけ”かとも思うのですが、個性的な存在感を際立たせると共に、どこかひたむきさも感じられ、そんな強い『光』が生み出す『影』の部分、奔流のようにあふれ出る毒々しさと狂気、そしてその奥に見え隠れする哀愁なども、彩り豊かに飛び込んできました。作品からはドラマチックな舞台を観劇した時の感覚に近い満足感を覚え、1曲1曲に表現者としての“本気”を感じました」