Charisma.com、ライブパフォーマンスの実力は? ツアーファイナル公演レポート
Charisma.comの『DIStopping リリースツアー2014 - OL JOKER - 』ファイナルが、7月26日に恵比寿LIQUIDROOMにて開催された。
読売テレビ『キューン!』やテレビ朝日系『musicるTV』などのエンディングテーマにもなった「イイナヅケブルー」や、2014 PARCO VALENTINEのキャンペーンソングに採用され、 iTunesエレクトロニックチャート1位となった「チャンコイ」など、話題作を多数収録したファーストフルアルバム『DIStopping』を提げてのツアーファイナルとあって、LIQUIDROOMのフロアは満員に。現役OLである二人が“社会VS自分”をテーマ作り上げたアルバムだけに、女性リスナーが多いかと思ったが、意外にも男女比は半々くらいか。
ド派手なSEの後、まず登場したのは人気急上昇中のダンスパフォーマンスユニット・TEMPURA KIDZ。学生服姿でコミカルかつシャープなダンスを披露し、そのシュールな世界に観客を引き込む。そこにCharisma.comが合流、前作『アイ アイ シンドローム』の1曲目「HATE」のイントロで会場を一気に盛り上げる。
驚いたのがMCいつかもまた、TEMPURA KIDZに負けじと踊りまくることだ。キレのある動きは明らかに素人のダンスではない。MCいつかとDJゴンチは、中学の同級生で同じダンス部だったというエピソードをふと思い出す。それにしても、ガーリーかつ個性的なファッションと、攻撃的ともいえるエッジの効いたパフォーマンスのギャップがすごい。TEMPURA KIDZが手からレーザー光線を放てば、MCいつかがドライ&クールなラップで観客を煽る。学生服の中学生たちと、現役OL二人が、LIQUIDROOMを揺らすという現実に軽いショックすら覚える。
「イイナヅケブルー」「LOOKER」と立て続けに披露し、軽くMCを挟んだ後、「AUTOMADE」「ペインオフ」「空色will」そして「チャンコイ」と続く。エレクトロ×ラップという独自のスタイルを貫くCharisma.comだが、その表現の幅は決して狭くはなく、スペーシーでファンクなエレクトロサウンドから、音数を抑えたメロウなブレイクビーツまで、飽きずに楽しませてくれる。また、ともすればアンダーグラウンドになりがちなサウンドを、うまくポップに聴かせるバランス感覚はさすがの一言。口まわりが良く、時にパーカッシブにさえ響くMCいつかのラップも心地いい。
「今日は皆さん、思い思いのストレスを抱えてきたかと思います。隠したってわかるんだよ! 今日はそのストレスをしっかり解消していってください」
いつかのマイクパフォーマンスは、妙に男前だ。ズバズバと思ったことを言い、サクっと観客を笑わせる。一方でDJゴンチは、いつも半テンポ遅れている調子で、おっとりとした性格が垣間みれる。いつかに話を振られても、まるで居酒屋で普通に会話をしているような受け答えで、観客にライブ中であることを忘れさせるほどマイペースだ。きっと、良いコンビなのだろう。