DJ和が語る、J-POP&アニソンDJの可能性「日本発祥の楽しみ方で海外に負けない規模を作る」

「バラードの曲が最近なくなってきた」

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――今回のミックス作業を通して、10年間におけるサウンドや作風の変化のようなものは感じましたか?

DJ和:ノイタミナでいうと、2010年以降はエンディングを声優さんが歌う流れが入ってきました。それから「すごくバラード」というのは最近なくなってきたように思います。2007-2008年あたりは、ここに入っているものでは中 孝介さんとか元ちとせさんのような、壮大なバラードがありましたが、最近はなくなってきましたね。そういう曲ってゆっくり座って聴くような音楽で、今はじっくり聴くことが少なくなってきているのかな?と思います。10年前より人がせっかちになって、何でも検索すれば5秒で出ます。いろんなものが早いのが当たり前というか、情報量が詰め込まれるようになってきた。速い曲で歌詞もたくさん入れて、というような。ゆったりした曲は初期のほうがあったと思いますね。

――和さんの場合は、一曲の情報量が多いということをポジティブに捉え、小気味よくつないでいる印象です。

DJ和:「CDが売れない」っていうことはあんまり言いたくないんですけど、そんな中で、ミックスCDを作る役割としては、僕が選んだものをドンと渡せるというか。お客さんにとっては「選ぶ」という部分を簡略化できるので、そういう部分は良いところだろう、とは思っています。ただ、僕が1枚目を出した時と比べると、今はもう少し細分化してミックスを作るようにはしています。一番最初にリリースした『J-ポッパー伝説 [DJ和 in No.1 J-POP MIX]』って「懐かしいJ-POP」っていうかなり大きな括りでした。逆にそれが良かったところもあると思うんですけど、今は「神曲祭り」も2010年以降くらいに年代を絞っています。この先もそういう風に、ジャンルの中でさらに絞ったようなものを作っていくと思います。今の時代は特に、その方がお客さんも聴きやすいと思うんです。

――なるほど、ジャンルを絞り込んだほうがより多くのリスナーに届くというのは面白いですね。その点、今回のノイタミナMIXは幅広い楽曲を対象としていますが、一番意識した点は?

DJ和:曲順が一番重要だなと懐いました。はじめは「新しいものから古いものへ」という案もあったんですけど、10周年を振り返るということを考えたときに、やっぱり懐かしいものから入れようと思いました。ある程度みんな、アニメを観た上で曲を聴いていると思うので、そういう意味でアニメで流れている箇所をできるだけ使っています。基本的にはオリジナル音源を使っているんですけど、歌始まりで流れるTVサイズにできるだけ近づけるような形でつないだりしていますね。1分半くらいでバンバンつないでいくのは「神曲祭り」っていうシリーズとかとそう変えていません。あと、キリが良い数字にしたくて最初に収録曲を50曲って決めちゃったんです。でもいざつないでみると、「これ入るかな?」と尺がギリギリになってきて、やってみたら79分50秒くらいで、リアルにギリギリでした(笑)。

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