ふくりゅうの30周年コンサート分析
TM NETWORKによる新たな発明 “シアトリカル”なコンサート演出とは?
その後、全国各地へのキャンペーン、コンサート・ツアーを継続する事で全国的なFANKS(※TMファンの名称)を増やし、TV音楽番組出演や、人気アニメ『シティーハンター』との相性の良いタイアップによるブレイクで現在のTM NETWORK人気へと至ったが、映像メディアが進化した現在であればUSTREAM や、YouTube、ニコニコ動画、そして各種ソーシャルネットワークと親和性が高いユニットのように感じる。ここでも、ヴィジュアルや最新メディアにこだわり続けてきた先見性が見受けられるのだ。
21世紀のTM NETWORKは、映像表現をリアルなコンサート空間にて、シアトリカルに演出して、まるで映画のようにシリーズ化する手法を発明した。ツアーでは「Be Together」、「Get Wild」、「Self Control」、「Beyond The Time」など、数々のヒット曲があらたなアレンジでプレイされているが、そこにナツメロな印象は皆無で、その楽曲の歌詞におけるメッセージや、選曲された意味合いが物語をつむぐキーワードとなっているのが面白い。
今回のコンサートで予告されたが、今年の冬にはTM30周年シリーズのSeason2公演がスタートする。7年振りの新作アルバムも噂されるなか、ミリオンセールスを達成したコンセプトアルバム『CAROL 〜A DAY IN A GIRL'S LIFE 1991〜』をベースとした1988年に制作されたミュージカル・テイストなロックショーとリンクする新たな物語が予想される。攻め続けるTM NETWORKの“いま”から目が離せそうにない。
(文=ふくりゅう Twitter / 音楽コンシェルジュ)
<最新TM NETWORKコンサートの主な特徴>
●MCがない
●アンコールがない
●時代を彩る数々のヒット曲の演奏
●ステージセットや照明へのこだわりの高さ
●小室哲哉による脚本によって物語が進展する
●演劇風なシアトリカルなパフォーマンスが魅力的
●TM NETWORKメンバーがキャラクターを演じている
●ツアーグッズが開場前にいくつも完売するほど人気が加熱
●会場ごとにグッズとして発売されたパスポート用オリジナルスタンプを設置
■セットリスト
『TM NETWORK 30th 1984~ the beginning of the end』
2014年5月20日18時開場/19時開演
@東京国際フォーラム ホールA
M01. Retrace(Opening)
M02. LOUD
M03. Come on Let's Dance 2014
M04. Kiss You
M05. 永遠のパスポート 2014
M06. 金曜日のライオン 2014
M07. Rainbow Rainbow 2014
M08. Be Together 2014
M09. CUBE
M10. I am 2013
M11. Just One Victory 2014
M12. TK Keyboard Solo
M13. Get Wild 2014
M14. Self Control 2014
M15. Beyond The Time
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