新作『YANKEE』インタビュー(前編)
米津玄師が語る、“ボカロ以降”のポップミュージック「聴いてくれる人ともっと密接でありたい」
「小学生、中学生くらいの子たちに聴いてほしい」
――それにしても、今回の作品は本当にいろんな捉え方ができる一枚だと思います。ある意味で宗教的な作品である一方で、パーティーミュージックっていう面もある。
米津:だんだん変わってきてはいるんです。『diorama』と『YANKEE』の2つに絞って比べてみると、『diorama』は一つの作品という言葉が正しいと思うんですけど、『YANKEE』はプレゼントとか手紙、そういう存在だと思います。誰かに対して、誰かの顔が思い浮かびながら、誰かに対してあげるものという意味合いが強いかなと思います。
――今はとにかくリスナーに何かを届けたいという思いが強かった?
米津:いろんな人に。主にこのアルバムで個人的に思ってたのは、子供に対して。小学生、中学生くらいの子たちに聴いてほしい。彼らが喜んでくれるかどうか、許してくれるかどうかというのを考えながら作りましたね。
――彼らが最初に夢中になれるポップミュージック。
米津:そういう存在でありたいなって思います。
――ただ、一方で大人にも届くような気もします。
米津:なんか、小中学生の子供に対するあこがれがありますよね。子供って頭もいいし感性も豊かだし。そういう子たちに受け入れてもらえるというのは、凄く幸せなものかなって。
――ご自身も子供の部分を持っていると思いますか?
米津:持ってたいと……思うんですけどね(笑)。
(後編【「最近はネットコミュニティを俯瞰で見ている」米津玄師が振り返る、ネットと作り手の関わり方】に続く)
(取材・文=神谷弘一)
■リリース情報
『YANKEE』
発売:4月23日(水)
価格:初回限定生産 画集盤(CD+画集) ¥4,000(税別)
初回限定生産 映像盤(CD+DVD) ¥3,300(税別)
通常盤(CD) ¥2,760(税別)
<CD収録内容>
1. リビングデッド・ユース
2. MAD HEAD LOVE
3. WOODEN DOLL
4. アイネクライネ
5. メランコリーキッチン
6. サンタマリア (ALBUM VER.)
7. 花に嵐
8. 海と山椒魚
9. しとど晴天大迷惑
10. 眼福
11. ホラ吹き猫野郎
12. TOXIC BOY
13. 百鬼夜行
14. KARMA CITY
15. ドーナツホール (COVER)
<DVD収録内容>
1. リビングデッド・ユース (Music Video)
2. アイネクライネ (Music Video)
※映像盤のみ
<画集収録内容>
・本人書き下ろしによるイラスト・マンガを含むハードカバー画集104ページ
・スリーブ仕様
※画集盤のみ