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新作『YANKEE』インタビュー(前編)

米津玄師が語る、“ボカロ以降”のポップミュージック「聴いてくれる人ともっと密接でありたい」

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「普遍的なものに対する興味があった」

――歌詞などでも、内面を掘り下げていく部分が多く出ているのでは?

米津:なんかやっぱり、聴いてくれる人ともっと密接でありたいと思ったんですね。前作は言ってしまえばそういうところをあまり気にしていなくて、自分の中にある「街」を具現化するところに重きを置いていたので。「わかりやすく」というテーマはそのころからあったにはあったと思うんですけど。もっとこう、愚直に作っていたというか、自分の楽しいとか美しいと思うものっていうのを素直に純度高く抽出しようと思ったんです。

 だからといって(今作は)別に美しくないものを作ろうというわけではなくて、「わかりやすいもの」。これってすごくネガティブにとられる可能性があるとは思うんですけど、決してそういうことではなくて、表現の一環としてそういうところに自分はこう落とし込んでいくというか。そうするとどうなるのかな、そういうことを自分はやれるのかな?という。チャレンジみたいな精神はあって。

――わかりやすさの追求と、内面的な世界の掘り下げと。そうした一見相反する欲求が出てきたのは前作以降?

米津:ちょっと前から普遍的なものに対する興味があって。そもそも「普遍的」ってなんなんだろうと考えた時期がありました。それは『diorama』を作り終わって、『サンタマリア』を作るまでの時期だったんですけど、人間が意識の領域にまで持ち込まなくても、無意識の中に確実にあるものって何だろう……と探していたりしました。とても不思議な、なんで覚えたかわからないけど、知ってることってあるじゃないですか。自分の中にあるそういうものをピックアップして机の上に並べて。「これとこれは組み合わせると、どうなるんだ」とか考えてる時期があって。

――組み合わせを通して普遍的なものを探す、というのは面白いですね。そうした志向は歌詞を書いたりとか、曲を作ったりする際にも?

米津:そうですね。実際に作る中で見つけていくというか。……具体的に言葉にはできないですが、なんかこう、性善説じゃないですけど、人間はそもそも一つの球体を持って生まれてくると思うんですよね。それが年を取るうちに削れてくる。無くしていくと思うんですよね。で、何を無くすかというところが個性になる。欠けた部分が個性になる。

――傷つくのも個性を作るためには必要な要素だと。

米津:はい。

――タイトルの『YANKEE』については。

米津:そんなに深い意味は無くて。元々「ヤンキー」って言葉が好きだったんです。歌詞にも使ってましたし。で、ある時「ヤンキーってどんな意味なんだろう?」と。日本だと「不良の少年少女」に対して使われるものですが、語源は何なんだろうと思って調べてみたところ、「移民」って意味があるらしくて。自分も(音楽業界からすれば)インターネットの土壌からやってきた移民だということで、「これがちょうどいいや」と思って付けましたね。

――ご自身が移動しているというか、動いていく感じですね。

米津:そうですね。

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