AKB48、中堅メンバー続々卒業 グループが直面する課題と、求められる「次の一手」とは

「秋元康さんの方法論の核は『建前と本音の境界を崩す』というところにあると思います。たとえばAKB48なら『Baby! Baby! Baby!』において水着ダンスを披露することにより、グラビア表現とアイドル表現を混ぜて、その境界を曖昧にしたところが根幹だったと言えるでしょう。建前としてはアイドルだけど、本音としてはそこにエロスもあったという。しかし、規模が拡大するにつれ、建前の部分がパブリックイメージとして定着するとともに、その方法論が機能しなくなってきた印象です。もしAKB48に原点回帰が必要だとしたら、たとえば映画などでこれまでにない大胆な表現をするというのもアリかと。本来AKB48が持っていた『境界が曖昧だからこその面白さ』を、これまでとは違ったメディアや企画で表現できれば、面白くなっていくような気がします」

 大島優子を中心とした古参メンバーの相次ぐ卒業や、規模の拡大による方向性の変化により、グループとしての性質に変化が起こっているようにも見えるAKB48。人気を保ち続けるためには、若いメンバーを中心に、改めてコンテンツの力でムーブメントを巻き起こす必要があるのかもしれない。
(文=松下博夫)

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