J-POPの中心を目指す真夏のアウトサイダー 神聖かまってちゃん×川本真琴「フロントメモリー」レビュー

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2014年に入り、より精力的に活動を続けている神聖かまってちゃん。

 神聖かまってちゃんが、これから狂おしい夏が始まることを告げている。4月9日に発売される『フロントメモリー』は、2012年の『知恵ちゃんの聖書』以来約1年半ぶりとなるシングルだ。

 「フロントメモリー」は実にトリッキーな手法で公開された。まず元モーニング娘。の新垣里沙が出演するビデオ・クリップのショート・ヴァージョンが3月21日に公開されて話題を呼んだのだが、さらに事件は起きた。3月26日の神聖かまってちゃんのライヴに川本真琴が登場し、「フロントメモリー」は彼女が歌っていることが明らかにされたのだ。楽曲の正式名称は「フロントメモリー feat. 川本真琴」となった。

神聖かまってちゃん「フロントメモリーfeat.川本真琴」

 川本真琴の参加を知ったときに思い出したのは、2010年9月19日にSHIBUYA-AXで開催された神聖かまってちゃんの企画ライヴ「窓辺で手紙を調弦っす。vermail」のことだった。神聖かまってちゃん、フルカワミキ、QP-CRAZYとともに出演したのが川本真琴だったのだ。

 川本真琴は「愛の才能」「DNA」「1/2」「桜」などの大ヒット曲で知られるシンガーソングライターだ。しかし、2002年からは活動の場をインディーズに移し、名義を「タイガーフェイクファ」に変えたりするなど独自の活動を続け、3枚目のオリジナル・ソロ・アルバム『音楽の世界へようこそ』(2010年、川本真琴 feat. TIGER FAKE FUR名義)のリリースまでは、2001年の『gobbledygook』から数えて実に9年を要した。

 川本真琴はJ-POPのメインストリームにいながら、あえて独自の道を選んだアーティストだ。そして、2010年の神聖かまってちゃん企画ライヴでは、飛び跳ねてスピーカーに登ったり、ぬいぐるみを抱いて床に座ったりと、自由奔放なステージを見せていたことを思い出す。

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