嵐メンバーも信頼を寄せる大野智のダンス その「振付師」としての顔とは?
さてそんな大野の振り付けは一体どのようなものか。メンバーに言わせると、アーティスティックな感覚の大野ならではのものだという。まず教え方からして独特だ。通常のように「ワン・ツー・スリー・フォー」とカウントをとることはせず「チャンチャン」「タタタ」「ここでパン」といったように感性の赴くままのやり方。位置やフォーメーションを伝えた後はもうすぐに踊りながら実演して教えるそうだ。普通のアーティストであれば困惑するであろうやり方でも正確に伝わり、あれだけ完成度の高いダンスを踊れるのはメンバーの信頼関係と絆あってのことだろう。嵐の振り付けにはソロ曲とは異なるこだわりを大野は持っているようで、自身のソロでは細かい綺麗なものに仕上げるが、全員で踊るものはもっとポップで、ファンから「みんなが可愛く見える」ものになるようイメージをもって考えているという。
今回の「Bittersweet」は大野がはじめてシングルの振り付けを手がけた曲。当初大野は自信がなく、スタジオでもほとんど床にゴロゴロしながら妄想して振り付けを考えた、と自身のラジオ番組で明かしている。想像で生まれた踊りをメンバーに伝えるのは難しい。しかし、それをみんなが理解して動いてくれるのを目にして「嵐ってすげぇな」と思ったそうだ。大野のアーティスティックな感覚と、嵐のパフォーマンス力はどのように融合しているのか。大野の振り付けした「Bittersweet」は、楽曲はもちろんダンスにも注目して観てほしい。
(文=北濱信哉)