ヒップホップ界のキーマン、YANATAKEの現場レポート

2014年のクラブシーンは『恋チュン』級ヒットを生み出せるか ハイブリッド化とネット活用がカギ

 MISIA「つつみ込むように」はDJ WATARAIによるリミックスがクラブ・シーンで注目されたことから火が付きました。ヒップホップ・スターとアイドルを融合させたEAST END×YURI「DA.YO.NE」をヒットさせた北海道のFM局の取った手法は、今のインターネット・ラジオがやるべき手法かもしれない。TV CMで「One More Time」(ダフト・パンク)や「Party Rock Anthem」(LMFAO)のような何年も前のヒット曲を採用するのではなく、SONPUB「Dondada」が使われてたら、もっとCM自体がバズってたよ! と言いたいし。

 AKB48「恋するフォーチューンクッキー」のダンス動画は、「Harlem Shake」のアイディアをうまく置き換えたものでしたね。しかもダフト・パンクやロビン・シックらに代表されるようなディスコ/ブギー・サウンドの流行を取り入れた楽曲でした。ポップス側もしっかりクラブ側のマーケティングを落としこんできている一例です。

 これらがもっと融合し、お互いの世界が近づくこと。これらが重なり合うことで2014年はもっと面白くなりそうな気がします。どのジャンルでもまず1曲。“邦楽”としてのクラブ・ミュージックからお茶の間に届く“特大ヒット曲”が誕生することに期待したいですね。そのことがクラブ・シーン全体を牽引することになりますからね!

■YANATAKE
レコード・ショップ『CISCO』のヒップホップ・チーフバイヤーとして渋谷宇田川町の一時代を築き、レコード・レーベル「Def Jam Japan」の立ち上げやMTV Japanに選曲家として参加するなどヒップホップ・シーンの重要な場面を担う。block.fmの人気ヒップホップ番組『INSIDE OUT』のディレクター、HIP HOP DJ、音楽ライター、USTREAMなどのオペレーターとしても活躍中。12月27日に『DEEP INSIDE OF FILE RECORDS CLASSICS -compiled by YANATAKE & SEX山口-』リリース。
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