浅利陽介が語る、チームの中でのポジション 「『コード・ブルー』の箸休めになれば」

『コード・ブルー』浅利陽介インタビュー

 「気持ちのスイッチングは意識していますね」

ーーフライトドクターとしては着実にステップアップしている藤川ですが、役作りで7年間の歳月を意識していることはありますか?

浅利:場数を踏んでいるため、藤川はフライトドクターとしての経験値も増えています。そこは意識していますね。たとえば、血が噴き出してきても動揺しないだとか、1st seasonや、2nd seasonよりも全体的にリアクションを小さくするように心がけています。それと思わずクスッと笑ってしまうような、そんな地味な面白さを狙っていますね(笑)。あと、実は藤川の身だしなみからも成長が見られるんですよ。フェロードクターだった頃は、とにかく要領が悪い劣等生だったために、今の灰谷(俊平/成田凌)のようにポケットの中身がパンパンに詰まっていました。でも、3rd seasonになってからは1本のペンにボールペン、ライト、タッチパネル用のペンなどが備わっている、機能性が充実したものを身につけています。そのため、必要最低限のものだけを身につけているので、ビジュアルがスッキリしているんですよ。

ーー細かい部分にも気を使っているのですね。9年間藤川を演じていますが、シリーズを通して浅利さんが最も印象に残っているシーンやセリフは?

浅利:初フライト時の「俺に行かせてください」かな。あのシーンは、今だに鮮明に覚えてますね。あとは2nd seasonで、黒田(脩二)先生(柳葉敏郎)に電話して、「僕、フライトドクターやめません」っていうセリフは印象に残ってます。

ーー初フライト時のシーンが思い出深いということですが、実際にドクターヘリには乗っているのですか?

浅利:乗ってます。

ーー酔いますか?

浅利:全然。実際に医療用のヘリコプターを使用しているので、揺れがないんですよ。普通のヘリコプターよりも遥かに安定しています。結衣ちゃんは「高いのが怖くなった」って言ってましたけど、僕は平気なので楽しんでます。でも言われてみれば、ちゃんとは乗ってないですね。グッて上がって、位置調整して降りるっていう感じなんですよ。


ーーそうなんですね。実際に医療現場にも足を運ばれたとのことですが、その際に何を感じましたか?

浅利:お医者さんって、命を預かる仕事じゃないですか。だからこそ、患者さんに感情移入しすぎてしまうとやりにくいんでしょうね。あまり接点を持たないで、適切な距離感を保っている印象を受けました。そうじゃないと、オペのときにあんなにザクザクと切れないですよ。整形外科の先生という役柄なので、実際に骨盤骨折のオペを見させていただいたんですが、想像以上にエグかったです。でも、先生方にとってはそれが日常なので、手術という作業だけに集中して、淡々とこなしている感じでしたね。人だと思って切ろうとすると、迷いが生じてしまうんじゃないかな。

ーー浅利さんも藤川を演じる上で、患者さんとの距離感は意識していますか?

浅利:藤川は、臆病で迷いが多い外科医なので、人を切るときに躊躇はします。でも、どこかで切り替えてるのかな、と。患者を人として扱っている藤川と、助けるためには患者を物体として見る藤川、その気持ちのスイッチングは意識していますね。

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