柳楽優弥が語る、『銀魂』土方十四郎役の手応え「こんなにカッコいい男を演じられる機会は滅多にない」

柳楽優弥が語る『銀魂』土方十四郎役の手応え

 週刊少年ジャンプにて連載中の空知英秋による人気コミックを、『勇者ヨシヒコ』シリーズの福田雄一監督が小栗旬主演で実写映画化した『銀魂』が現在公開中だ。宇宙人によって鎖国を解かれたパラレルワールドの江戸末期を舞台に、便利屋“万事屋銀ちゃん”を営む坂田銀時が、己の魂と大切な仲間を護るため、進む道を違えたかつての同志・高杉晋助と対峙する模様を描く本作。リアルサウンド映画部では、真撰組・土方十四郎を演じた柳楽優弥にインタビューを行い、人気キャラクターを演じる上での役作りや、福田監督の現場ならではのエピソード、そして日本映画界において主流となりつつある“実写映画化”についての考え方などを語ってもらった。

「できる限りのことはやったつもりでいます」

ーー福田雄一監督とはドラマ『アオイホノオ』(テレビ東京)や映画『HK 変態仮面 アブノーマル・クライシス』などに続いて、今回5度目(脚本作『任侠野郎』含む)のタッグになりますね。

柳楽優弥(以下、柳楽):また声をかけていただけたのは嬉しかったですね。僕自身『銀魂』は名前を知ってるぐらいでちゃんと読んだことはなかったのですが、監督が「『銀魂』の中でも常に人気ランキング上位にいるキャラクター、土方十四郎役だからよろしく!」みたいな感じだったので、僕も頑張らないとなと思いました。そこから原作をしっかり読み込んで、アニメ版も観ました。土方は言うセリフも結構ハッキリしているし、彼なりの筋が通っているカッコいい男だなという印象を受けたので、そんな男らしいキャラクターを演じられるのは、僕としても気持ちがよかったです。

ーー人気キャラクターを演じるプレッシャーはありませんでしたか?

柳楽:これだけ圧倒的な人気を誇るキャラクターを演じることは今回が初めてだったんです。もちろんこれまでも原作ものでファンが多いキャラクターを演じたことはあったんですけど、今回の土方は、原作ファンの方の愛が個々で確実にあるような人気キャラクターなので、どうすればいいのかを自分の中で一つひとつクリアにしていく作業が必要でした。

『銀魂』土方十四郎キャラクタービジュアル

ーー具体的にはどのようなことを?

柳楽:もちろん総スカンはされたくないので(笑)、みんなは土方のどういうところが好きなんだろうと考える部分はありつつも、結果的には、原作を読んだりアニメを観て、僕が土方という男をどう感じたかであると思ったので。僕が選ばれた以上、自分の中で開き直りました。土方はすごくカッコいい男なので、とにかくそこを意識しました。こんなにカッコいい男を演じられる機会は滅多にないですから。とはいえ、初のビジュアル公開もちょっと緊張しました。ファンの方がアリだねって思ってくれるラインはどこなのか、それもすべて公開されてからだと思うので、未だに緊張感はあります。ただ、できる限りのことはやったつもりでいます。少なくともそうは言えますね。

ーーカッコよさとコミカルさのバランスが素晴らしく、ファンの方にとっても納得のキャラクターに仕上がったと思います。

柳楽:僕は福田組の中では結構真面目な役柄が多いんですよ。真面目すぎてそれが逆におかしいみたいな。土方もめちゃくちゃ真面目な部分がある一方で、マヨネーズやタバコが好きという極端な要素も結構ある。笑わせようとするのを意識しないでいられるキャラクターだったので、僕も演じていて本当に楽しかったです。

ーー福田監督の作品には一貫した独特の笑いのセンスがありますよね。笑いを生み出す、福田監督の現場ならではのポイントはありましたか。

柳楽:福田監督の現場に行くためには、それなりの下準備みたいなものをしなければいけないと僕は感じていて。福田監督の作品に出るからと言って、みんながみんな面白くなるわけではないんです。だから、自分自身が真面目に取り組んだ上で、福田監督に面白さを引き出してもらわなければいけないと僕は考えています。福田監督に面白くしてもらうために、自分がどう頑張るか。それはどこの現場でもそうだと思いますし、人それぞれだとも思うんですけど、僕の場合は割と考えて、ある程度の覚悟を持って臨みます。事前に自分の中で考えていたいくつかのアイデアをあえて監督に聞かずに現場で試してみたりとか。それでダメだったらちょっとこうしようとか監督も言ってくれると思いますし、それでOKだったら何も言われないじゃないですか。だからその辺はもう完全に監督を信頼しています。今回もものすごいキワキワのところを攻めていますし(笑)。

ーー確かにかなりキワキワですよね(笑)。

柳楽:これだけの予算とこれだけのキャストでそこを狙う勇気がすごいですよね。ある意味新しい。この作品を観て、多くのクリエイターが勇気をもらうんじゃないでしょうか。コメディを演じるって本当に難しいなと思うんです。だからこそ、福田組に参加するためにはちゃんと準備をしていかないといけない。『アオイホノオ』の時からそうですが、そういう意味でも福田監督の現場は気軽に行ける感じではないんです。圧倒的な“福田ワールド”がありますから。福田組の現場の“空気感”は一切変わりませんけどね。

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