『架空OL日記』は月曜日の憂鬱を忘れさせる バカリズム主演ドラマの革新性

 しかも、なんでもない日常やオチのない会話は、責任ある仕事を任されて充実した毎日を送っていると自負していたり、自分の話には配置がしっかりしていて必ずオチがあると思っている男性からはしょーもないものと見なされがちだ。だが、この作品に限ってはその視線が感じられない。

 もちろん、バカリズムのコントなどで、女性のしょーもなさを笑うネタがなかったわけではないが、本作に限っては、まったく女性への嘲笑が見えてこない。

 そんな本作を土曜の深夜(日曜の始まり)に見ていると、月曜の憂鬱さを少しは忘れられそうな気がしてくるのだ。

■西森路代
ライター。1972年生まれ。大学卒業後、地方テレビ局のOLを経て上京。派遣、編集プロダクション、ラジオディレクターを経てフリーランスライターに。アジアのエンターテイメントと女子、人気について主に執筆。共著に「女子会2.0」がある。また、TBS RADIO 文化系トークラジオ Lifeにも出演している。

■放送情報
『架空OL日記』
日本テレビ 毎週土曜25時55分〜
讀賣テレビ 毎週木曜25時25分〜
原作:「架空OL日記」著・バカリズム(発行・小学館文庫 全2巻 2013年
脚本:バカリズム
監督:住田崇『SWEAT』、『住住』
出演:バカリズム、夏帆、臼田あさ美、佐藤玲、山田真歩ほか
(c) 2017「架空OL日記」製作委員会

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