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滝沢秀明、ジャニーズを率いるリーダーとなるか? 『せいせいするほど、愛してる』役柄に見る覚悟

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realsound-tatki-tubasath_.jpg(C)タナカケンイチ

 大きく揺れるジャニーズ事務所において、今後その屋台骨となり得るタレントは、滝沢秀明その人ではないだろうか。『AERA 2016年8月22日増大号』(8月16日発売)のインタビューを読み、改めてそう感じた。本日放送のドラマ『せいせいするほど、愛してる』(TBS)第6話の撮影後に行われたこの対話の中で、滝沢は自身のリーダー論を静かに語っている。

 同ドラマの中で実在する企業の副社長を演じていることを受け、ひとを導く立場になったときに気をつけていることを訊かれた滝沢は、「『しっかり話を聞く』ことを大切にしています。キャリアの長短や上下は関係ないと思っているんですよ。相手が後輩だと、もちろん場数とか経験してきたことは僕のほうが多い。でも、この仕事はそれだけじゃなくて、感性とか、その人が持っているいいところをどう生かすか、ということのほうが大事です」と、そのスタンスを明かした。滝沢はその面倒見の良さから、“小さなジャニーさん”とも称されているが、その背景には彼のこうした態度への信頼があるのだろう。そして、「ジャニーズ事務所は何かを教えるんじゃなくて、経験させることで覚えさせるところ」との考えこそが、いまのジャニーズメンバーにとってひとつの指針となっていることは間違いない。

 滝沢の言葉を受けて、『せいせいするほど、愛してる』の第5話(8月9日放送)を振り返ると、急展開した物語と、登場人物たちの演技がグッとシリアス路線に変更されたことにも、説得力が宿ってくる。同ドラマは開始当初、その演出があまりにも漫画的だったことから、賛否両論があった。滝沢演じるティファニー副社長の三好海里は、ストレスが溜まるとエアギターでそれを発散するとの設定は、大きな話題にもなったが、明らかにフィクションラインを踏み越えたものでもあった。滝沢のラブシーンや気障すぎる台詞など、ファンにとっては嬉しいサービスが盛り込まれているものの、一般的なドラマファンにはリアリティを感じ難いものだったといえる。重厚な不倫ドラマを期待して観ると、やや肩すかし感のある作品だった。

 しかし、第4話のラストで三好海里の妻・優香(木南晴夏)が目覚め、不倫相手の栗原未亜(武井咲)が何者かによって階段から突き落とされてからは一転、物語のトーンは一気に暗い色を帯びた。登場人物それぞれの関係性もややこしくなり、それまでユーモラスな演出で覆い隠されていた“事の重大さ”が浮き彫りになったのだ。その反転はまさに、恋の楽しさに溺れていた不倫カップルが、相手の家庭や社会的立場といった現実に直面し、狼狽する心境に重なっていた。これまでの奇妙に浮かれた演出の数々は、彼らの恋路の困難さをより生々しく描くための伏線だったのだろう。

 役者たちが表現する感情も、より複雑なものとなっていて、つい引き込まれてしまう。特に、目覚めたばかりの妻を心配しながら、未亜への想いを募らせてしまう滝沢の演技は、その無責任さを際立たせる一方で、刹那的な魅力も放っている。嫌悪と憧れを同時に感じさせる芝居は、役者としての経験がたしかであり、誰からも好まれる誠実さを持つ滝沢だからこそ可能なものだろう。そして、その滝沢の演技に引っ張られるように、ほかの役者たちの振る舞いもリアリティを増していく。物語の後半、未亜の流す涙に、もはや白々しさはない。不倫に溺れることの罪を自覚しながら、なお止めることができない業の深さと悲しさが、その表情には宿っていた。滝沢がいうように、役者それぞれが持つ“良さ”が、いよいよ際立ってきている印象だ。おそらく、役者たちは現場での経験を通じて、じっくりと関係性を作り上げているに違いない。

      

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