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Frank Sinatra

(フランク・シナトラ)

フランク・シナトラはポピュラー・ミュージックの在り方を変えた。アメリカのスタンダード曲を歌わせたら最高峰と称される彼は、驚嘆すべき卓越した発声法を駆使して、歌詞のもつニュアンスと情感の自然な表現を結びつけ、ナット・キング・コールやカーメン・マクレエをはじめとする幾世代にもわたるヴォーカリストたちに影響を与えてきたのだ。
まだビッグ・バンドのシンガーとして活躍していた30年代に、コール・ポーターのような巨匠が書いた古い曲を復活させ、40年代には国民的カリスマとして君臨(例えばレイ・チャールズは、コロムビア在籍時のシナトラの完璧といえる技術を称賛している)。そして50年代に突入してもその猛威は続き、斬新なコンセプト・アルバム、名アレンジャー、ネルソン・リドルと組んだビッグ・バンドによる新鮮なサウンドを呈示している。
シナトラは<キャピタル>と<リプリーズ>からリリースされたアルバムで、ありとあらゆる感情表現を追求したが、これはエラ・フィッツジェラルドやペギー・リーのヴォーカル・スタイルにも大いに影響を与えた。また、70年代のロック全盛期には、彼の声にも発表する作品にもバラつきが見られるようになってはいたが、それでもいくつかの傑作を残しているのは間違いない。
シナトラは自分自身を、常に“ポピュラー・シンガー”として考えていたが、多くのジャズ・ミュージシャンたちも彼の作品に対して最高の敬意を贈っている。たとえばマイルス・デイヴィスやレスター・ヤングは、スタンダード・ナンバーを演奏する際に、しばしばシナトラの解釈を踏襲していたし、アヴァンギャルド音楽家のジョン・ゾーンはかつて、「フランク・シナトラはある意味でチャーリー・パーカーに匹敵するほどのジャズ・インプロヴァイザーである」と評したこともある。それほどシナトラの残した功績は音楽史において偉大なのだ。

制作協力:
OKMusic

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