E-girls、11人体制の初アリーナ『E.G. 11』で見せた進化 MIGHTY CROWNらと次のステージへ

E-girls11人体制ライブでの“進化”

 11人体制になって初めてのアリーナツアー『E-girls LIVE TOUR 2018 ~E.G. 11~』は、E-girlsの現在のモードをコンセプチュアルに表現する革新的なライブとなった。8月5日、さいたまスーパーアリーナにて行われたファイナル公演は、まさに驚きの連続であると同時に、彼女たち一人ひとりの個性をより明確にするもので、そのアーティスト像を鮮やかに刷新した。

 今回のライブのテーマは“スポーツ”。これまでもE-girlsのライブには必ずテーマが設けられてきたが、これほど演出に直接的な変化をもたらす具体的なテーマは初めてである。ライブ冒頭で流された映像では、YURINOがバスケ、坂東希がテニス、SAYAKAがボクシング……といった具合で、メンバーそれぞれが競技に打ち込む姿が描かれる。そう、スポーツの動きをダンスに取り込むのが、今回のライブ演出の最大のポイントである。本格的なダンススキルを持つE-girlsだからこそ可能な表現といえよう。

 メンバー一人ひとりの名前が高らかに読み上げられ、彼女たちがステージの両端に登場すると、アリーナが振動するほどの大歓声があがる。新生E-girlsを象徴する楽曲「Love ☆ Queen」でライブがスタートし、そこから「DANCE WITH ME NOW!」や「E.G. summer RIDER」「ごめんなさいのKissing You」「Follow Me」など、人気曲をメドレーで次々と披露する。新しいアレンジとなった楽曲の数々は、鷲尾伶菜、藤井夏恋、武部柚那の3ボーカルのマイクリレーによって、新鮮な響きを伴っている。

 加えて、ダンスパフォーマンスにもこれまでとは異なるクールさが宿っている。例えば「DANCE WITH ME NOW!」では、ブラックライトで極彩色に輝く衣装を身につけたメンバーが、現行のヒップホップダンスの流れを汲んだ高度かつスタイリッシュな振り付けを見せており、そのイメージが良い意味で裏切られる。11人体制になってからのE-girlsは、メンバーたちの成長に伴い、より玄人好みの渋いパフォーマンスも可能になったのだ。

 一方、スポーツをテーマにしたことで、キャッチーで人目を引くパフォーマンスも目立った。「E.G. summer RIDER」ではシットアップベンチ、「What I Want Is」ではバスケットボールやバスケットゴールを使用したユニークなダンスを披露し、見るものを飽きさせることがない。特に「ごめんなさいのKissing You」のサビで披露したウォーキングマシンの振り付けは、E-girlsらしいポップセンスに溢れており、観客たちからひときわ大きな歓声を受けていた。また、会場を訪れたガチャピン&ムックとともに、観客とPK合戦をするなど、参加型のコーナーがあったのも印象深かった。こうした演出の多くを、今回はメンバーが自ら発案したという。その演出もセルフプロデュースするという意味で、今のE-girlsはクリエイター集団でもあるのだ。

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