中居正広と舞祭組、親子のような師弟関係 ラジオで語られた1stアルバム制作裏話

「すごく頑張ったと思いますよ」。

 1月20日放送の『中居正広 ON & ON AIR』(ニッポン放送)で、中居が“ちょいお手伝い”をしたという、舞祭組の1stアルバム『舞祭組の、わっ!』の制作裏話が披露された。

 Kis-My-Ft2の「後列4人」と呼ばれていた千賀健永、宮田俊哉、横尾渉、二階堂高嗣に光を当てるべく、派生ユニット“舞祭組”を作り、中居自らプロデュースをかって出たのが、2013年のこと。以来、MCを務める番組に彼らを呼び、トークや歌について叱咤激励を繰り返しながら歩んできた。前回の放送では「コーラスを僕入れたんですよ。舞祭組みんなヘタくそだから、コーラス入れてやんないと、歌が成り立たないんじゃないかなっ、と」と、相変わらずな天邪鬼ぶりを発揮していた中居だが、今回は真正面から彼らの努力を称賛した。中居と舞祭組、彼らの間にある、親子にも似た師弟関係が胸を打つ。

 中居は、徹底した仕事人間だ。今回、舞祭組の1stアルバムを制作するにあたって、予め12曲を選出し、メンバーの歌割りやPVのイメージも持参して会議に参加したという。だが、それを決して押し付けることはしない。「自分たちでやってもいいし、これ(中居選曲)でもいいし。やりたいようにやったほうがいい」と、選ばせる。そして、困ったときには“いつでも頼れ”と、いい距離で見守る。その行動は、まさに理想的な親ではないだろうか。

 思えば、舞祭組が生まれたとき、4人はヨチヨチ歩きだった。念願のデビューというスタートラインに立ったものの、思い通りにならない歯がゆさ。それは、私たち一般人も社会に出たとき、多くの人が感じるものに近いかもしれない。ときに、会社組織におけるマネジメントは子育てに例えられる。母親から生まれた時に人間へと育てられ、社会に出た時に社会人へと育てられる。彼らがスーツ姿で歌っていたのも、アイドルである以前に、社会人として成長していく姿を見せていきたい、そんな思いがあったのかもしれない。

 中居が手を差し伸べたとき、すがるように付いていった舞祭組が今回「自分たちでやりたい」と応えたのは、本当に大きな成長だ。だからこそ「よく頑張った」と、中居は喜んで褒めたのだろう。ラジオでは、二階堂や千賀が熱心に中居のもとを訪ねて、アドバイスを受けていたこと。その熱意に「必ずしも俺が言ってることが正しいわけではないから」と言いながら、出来る限り応えてきたことも語られる。

 「コーラスの歌だけ、僕が選んだ12曲の中の1曲だったのね。その曲だけ、やりたいと。あーいいよ、全然いいよって」。その1曲である「Fire&Lightning」は、かつてSMAPの「Battery」や「シャレオツ」などを手掛けたJeff Miyaharaによるもの。これまでジャニーズアイドルらしからぬ楽曲を歌ってきた舞祭組が、この楽曲を歌うことには特別な思いがある。今の彼らなら本当にカッコよく歌えるはず、と見込んでの選曲だったのだろう。

 中居もコーラスに入り、舞祭組のホールコンサートでは、映像でダンスシーンも披露した。昨年「1ステップも踏まなかった」という中居が、久しぶりのダンスや歌に苦戦した話も、「やべぇ」と言いながらどこか楽しそうだ。それは、まるで野球好きな父親が、久しぶりに子どもたちとキャッチボールをしたけれど、昔のような球速が出ずに、悔しがっているかのような微笑ましさ。

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