『コード・ブルー』『ぼくらの勇気 未満都市』…ジャニーズ主演ドラマ続編で描かれる“成長”

 いよいよ7月17日に『コード・ブルー〜ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』(フジテレビ系)の初回、そして7月21日にスペシャルドラマ『ぼくらの勇気 未満都市2017』(日本テレビ系)がオンエアされる。『コード・ブルー』は2007年に山下智久が主演を務めた医療ドラマ。スペシャルやセカンドシーズンを経て、実に7年ぶりにサードシーズンがスタートする。一方、KinKi Kidsのふたりが主演を務めた『ぼくらの勇気 未満都市』は、今回20年ぶりの復活を果たす。ジャニーズメンバーが出演する作品は、これまでにも続編化される機会が多くあったが、それらに共通する点とはなんだろうか。

 まず、ジャニーズの魅力の一つに、彼らの進化を見守ることで得られる不思議な共感体験がある。あどけない少年は青年になり、やがて日本を代表する表現者へ。彼らはあっという間に進化する。もちろん、そこにはたゆまぬ努力があり、ときには足踏みをする時期も。彼らの人生そのものが長編人間ドラマであり、その苦しい時期をも応援し、見届けるファンも、その出演者のひとりになれるのだ。

 そんな彼らの出演するドラマからは、脈々と受け継がれるジャニーズの成長ストーリーを感じることができる。これまで『コード・ブルー』シリーズでは、山下演じる藍沢耕作が人間的に大きく成長する様が描かれてきた。野心家な藍沢が、仕事と向き合い、人の心の痛みに触れ、そして脳外科のエースとなっていく。その姿は、生まれながらに容姿端麗の山下が、キャリアの選択に直面し、ソロ活動を決断して、活躍している様と重なっても見える。

 今シーズンでは、新たにフライトドクターを目指すフェローたちを迎え、さらなるライバルの出現によって、より高みを目指す藍沢の奮闘が見られそうだ。そのフェローに後輩であるHey! Say! JUMPの有岡大貴がキャスティングされていることも、リアルに通じるものを感じる。また、強力なライバル役に、国外映画にも多く出演している安藤政信が登場。山下がさらなる成長を遂げるためには、後輩に背中を見せ、そして実力派俳優との一騎打ちが必要なのだということを示唆しているようだ。このドラマを通じて、さらなる山下の進化が見られるのでは、と期待が高まる。

 そして、1997年に放送された『ぼくらの勇気 未満都市』では、KinKi Kidsのふたりが年下から同世代までの若者たちを導く姿が描かれた。これも、まさに彼らの生き様そのもの。このドラマの後、作中で大勢の若者たちを率いるリーダーを務めた堂本光一が自ら座長を務めていくのも、死を目前にした仲間からギターと歌を教えてもらった堂本剛がソロ名義で楽曲を紡ぎ出していくのも、ただの偶然とは思えない。大人が敷いたレールだけではなく、自分たちが生きた証を、自分たちの足跡で見せていくんだという意志のようにも思えた。

 また当時、まだジャニーズJr.だった松本潤や相葉雅紀が、その後嵐としてデビューし、松本はコンサートの演出を手がけていくようになったのも、少なからずKinKi Kidsの職人肌に影響を受けているのではないだろうか。そして、相葉雅紀の肩肘張らない自然体な雰囲気が、見ている側に愛しさを感じさせるスタンスも、また然り。「俺らにはやらなあかんことがあんねや。それは大人んなることや」とは、剛が演じたタケルが発したセリフ。まさに彼らは、この20年もの間に自分たちが考えるカッコいい大人を体現してみせたことが、本作では証明される。今回放送されるスペシャルドラマでは、ドラマ『母になる』(日本テレビ系)で注目を集めた関西ジャニーズJr.の道枝駿佑も出演するという。彼らのイズムが、本作によってさらに次の世代へと引き継がれていくのだろう。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる